高齢者に関する人権侵害の現状と課題

フィオーレ南海　施設長　柴尾慶次

おわりに

　高齢者虐待の問題は、今始まった問題でもないし、これから誰にでも起こり得る問題でもある。そう考えると、今からでも遅くないので、認知症ケアについて地域や施設を含む総合的な取組が、遠くて近い虐待防止につながる。また、虐待者になり得るハイリスクの男性介護者、男性独居等に対する重点的な施策を講じることで、虐待発生を未然に防ぎ、共に支えあうネットワーク作りや町づくりの課題解決と同じ視点で取り組める課題がある。そのように考え、見ていくと、少しは解決の糸口を見つけることができるのではないかと考えている。

「2006年度版 大阪府内における人権相談及び人権侵害事例・分析報告書」（2008年3月発行）より