「大阪で起こっている差別の現実~実際の差別事象から~」コーナー
在日コリアン等に対する差別文書の頒布
ポイント
- 発生を確認した2つの駅(JR星田駅とJR鴫野駅)が同じJR学研都市線の駅であること、2市(交野市、大阪市)で確認されたチラシには同じ文章や言葉が使われていることから、同一人物または同じグループによる行為と考えられます。
- 今回の事象の特徴は、在日コリアンに対する差別意識や偏見をあおり、排除しようとする内容のチラシ(=差別文書)の頒布(※)を繰り返し行っていることです。
- こうした行為は、差別助長行為にあたり、許されないものです。今後も、在日コリアンや外国人に対する正しい理解と認識が必要であり、また差別に同調したり、放置したりしないよう、一層の府民啓発が必要であると言えます。
※ 「頒布(はんぷ)」とは、「ある特定の人しか利用できない場所ではなく、不特定多数の人々が認識できる方法で、広く行きわたらせ、差別を助長する行為」を意味しています。
◇事例の概要
- この事象例は、交野市内にある鉄道駅構内男子トイレの個室など、差別文書が置かれていた事象です。
- ■発生日時
- 交野市2013年7月9日(火)から11月19日(火)の間に7回(10月下旬から11月中旬に集中)
- 大阪市2013年8月6日(火)から2014年3月17日(月)の間に5回
- 合せて12回発生しており、連続事象として取り扱いました。
- 発生時間(発見した時間)は各事象を参照ください。
- ■発生場所
- JR星田駅(交野市)
男子トイレ個室、ホーム内ベンチ、ティッシュ自販機取出口(男子トイレ) - JR鴫野駅、地下鉄鴫野駅、地下鉄車庫内(大阪市城東区)
ホーム内ベンチ、地下鉄車両内(座席、窓枠)、駅構内の定期券申込み台
- JR星田駅(交野市)
- ■発 見 者
- JR駅職員(交野市の第1回発生~第7回発生分、大阪市の第1回発生分)
- 地下鉄職員(大阪市の第2回発生~第5回発生発生分)
- ■事象内容
- JR星田駅(交野市)で発生した連続事象
本事象では、すべて学研都市線JR星田駅において確認され、同趣旨のチラシ(A4サイズ。週刊誌の見出しや別のブログ等から抜き出した文章を切り貼りし、コピーしたもの)が頒布されていました。 - 大阪市内で発生した連続事象
大阪市では、JR学研都市線の鴫野駅と地下鉄今里筋線の鴫野駅、地下鉄車両内において確認された事象チラシが頒布されていました。
第1回発生日時:2013年7月9日(火) 午前0時55分 JR星田駅(交野市)
駅男子トイレ個室及びティッシュ自販機取出口に置かれていたチラシ<チラシの内容(一部)>
「日本の社会は韓国、朝鮮人によって完全に支配されている。」
「●●(政党名)と韓国朝鮮+マスコミの正体」
「在日生活保護の異常な優遇」
「総合ビジョンの多くの在日コリアンプロデューサーが、反日偏向番組を制作し、それが
NHKを通じて日本国民が見て洗脳されることになるのだ。」
「日本のマスコミは朝鮮人によってしっかりと監視されている」
「このチラシは、日本の事が心配で夜も寝れない個人が作成 配付しています。」
第2回発生日時:2013年8月6日(火) 午前11時45分 JR鴫野駅(大阪市)
下りホームのベンチのところに置かれたチラシ<チラシの内容(一部)>
「日本社会は韓国朝鮮人によって完全に支配されている」との見出しの印刷チラシ
・「在日生活保護の異常な優遇 働かずに年600万円貰って優雅な生活」
「日本の社会は韓国朝鮮人によって完全に支配されている」との見出しの印刷チラシ
・「寄生虫韓国人の国技「うそ」強姦」
・「日本人のクオリティがチョーセンと味噌もクソも同じにされる恐怖」
※チラシは、A4サイズたて(横書き)のもののコピー
第3回発生日時:2013年9月4日(水) 午後1時45分 JR鴫野駅(大阪市)
ホーム(放出駅寄り)のベンチのところに置かれたチラシ<チラシの内容(一部)>
日本のマスコミは朝鮮人 寄生虫によってしっかりと監視されている。
【在日特権】生活保護の異常な厚遇 働かずに年600万円貰って優雅な生活
チョンを批判すると消される
反韓の空気が満ちてきた今こそ、欺瞞と犯罪の巣窟「在日」を一掃しましょ う!
寄生虫朝鮮人の犯罪大国日本
腐れ切ったクソ朝鮮及び在日は何が何でも日本から叩きださなあかん。
不法占拠し不正蓄財した殺人鬼反日在日韓国人朝鮮人でも...
殺人鬼在日韓国人朝鮮人に殺戮・強姦・強盗されて...
※チラシはA4サイズ
第4回発生日時:2013年10月25日(金) 午前4時35分 JR星田駅(交野市)
・2つのベンチの溝に詰め込まれていたもの 2枚
ティッシュ自販機取り出し口及びホームのベンチに詰め込まれていたチラシ
・ティッシュ自販機取り出し口に1枚
第5回発生日時:2013年11月7日(木) 午前4時35分 JR星田駅(交野市)
・駅ホームにある2つのベンチの溝に詰め込まれていたもの 2枚
第6回発生日時:2013年11月8日(金) 午後11時10分 JR星田駅(交野市)
・ティッシュ自販機取り出し口に1枚
・男子トイレ手洗い場に1枚
第7回発生日時:2013年11月12日(火) 午前5時35分 JR星田駅(交野市)
・ベンチの溝に詰め込まれていたもの 1枚
・ティッシュ自販機取り出し口に1枚
第8回発生日時:2013年11月13日(水) 午後10時45分 JR星田駅(交野市)
・駅ホームにある2つのベンチの溝に詰め込まれていたもの 2枚
第9回発生日時:2013年11月19日(火) 午前4時30分 JR星田駅(交野市)
・ティッシュ自販機取り出し口に1枚
第10回発生日時:2014年1月26日(日) 午後7時40分 大阪市営地下鉄車庫内
車庫内に入れられた地下鉄車両内のシートの間にはさまれていたチラシ
<チラシの内容(一部)>
※チラシはA4サイズ
日本に存在する犯罪組織は全て朝鮮(韓国)人です。
朝鮮寄生虫 寄生虫韓国人
チョンを批判すると消される日本社会の現状を何とかして欲しい。
第11回発生日時:2014年3月8日(土) 午前10時00分 大阪市営地下鉄車庫内
車庫内に入れられた地下鉄車両内(6両目と7両目の2か所)の窓枠にはさまれていたチラシ<チラシの内容(一部)>
※チラシはB5サイズ。一つの車両内に2枚ずつ(計4枚)置かれていました。
チラシのタイトル「生活保護在日の実態」
・在日朝鮮人は仕事もしないで生活保護で年間600万円も貰って優雅に生活し、...
・因みに日本に存在する犯罪組織は全て朝鮮(韓国)人です。
・寄生虫朝鮮人の犯罪天国日本
第12回発生日時:2014年3月17日(月) 午後2時50分 JR鴫野駅(大阪市)
※チラシはA4サイズ縦(横書き)。3月8日に発見されたチラシと同じ内容。
JR鴫野駅の定期券申込み台の上に置かれていたチラシ
- JR星田駅(交野市)で発生した連続事象
◇事例の差別性
- 1.JR星田駅(交野市)で発生した連続事象の差別性
(1)まず、「日本の社会は韓国、朝鮮人によって完全に支配されている。」とあります。
これは、在日コリアンを日本の支配者に擬制することによって、在日コリアンに対する敵意をあおり、偏見や差別意識を植え付けるものであり、差別を助長する行為にあたります。
なお、大阪市で確認されたチラシにおいても、ほぼ同じ内容が見出しとして印刷されたチラシ(大阪市第1回発生分)が確認されています。(2)2つ目に、「在日生活保護の異常な優遇」とあります。
これは、在日コリアンが“優遇措置を受けている”という事実に反する情報を伝えることにより、在日コリアンに対する偏見や差別意識を植え付けるものであり、差別を助長する行為にあたります。
なお、大阪市で確認されたチラシ(第2回・第3回・第11回・第12回発生分)にも同じ内容が確認されています。?(3)3つ目に、「在日コリアンプロデューサーが、反日偏向番組を制作し、それがNHKを通じて日本国民が見て洗脳される」とあり、「日本のマスコミは朝鮮人によってしっかりと監視されている」と続いています。
これも(1)と同様に、「洗脳」や「監視」という文言を使うことによって、在日コリアンに対する偏見や差別意識を植え付けるものであり、差別を助長する行為にあたります。
- 2.大阪市内で発生した連続事象の差別性
(1)まず、「在日生活保護の異常な優遇 働かずに年600万円貰って優雅な生活」(第2回発生分)とあります。
これは、在日コリアンが"仕事をせず、生活保護を受けている"という誤った見方で、事実に反する情報を伝えることにより、在日コリアンに対する偏見や差別意識を植え付けるものであり、差別を助長する行為にあたります。
なお、大阪市で確認された他のチラシ(第3回・第11回・第12回発生分)にも同じ内容が確認されるとともに、交野市で確認されたチラシでも同じ内容が確認されています。(2)2つ目に、「寄生虫韓国人の国技「うそ」強姦」(第2回発生分)とあります。
これは、「寄生虫韓国人」という言葉を使い、在日コリアンが"優遇措置を受けている"という誤った見方で、事実に反する情報を伝えることによって、誤った偏見を植え付けているとともに、誹謗中傷行為となり、差別を助長する行為にあたります。
また、在日コリアンを“寄生虫”と結び付けることによって、在日コリアン=“人ではない”という意識を与えると考えられることから、誤った偏見を植え付けることはもとより、在日コリアンに対する人権侵害と言えます。
さらには、在日コリアンと「強姦」という言葉を結び付け、在日コリアンは“強姦する人々”という誤った偏見や差別意識を植え付けているとともに、誹謗中傷行為となり、差別を助長する行為にあたります。
なお、第2回目に確認された“寄生虫”と同じ文言が、第3回から第11・12回に発生したチラシでも確認されています。(3)3つ目に、「日本人のクオリティがチョーセンと味噌もクソも同じにされる恐怖」(第2回発生分)とあります。
これは、在日コリアンと同じになることが「恐怖」とつなげていることから、在日コリアンを下に見る上下意識を表しています。さらには、「チョーセン」という差別用語を使用しており、差別行為にあたります。(4)4つ目に、「チョンを批判すると消される」(第3回発生分)とあり、第10回発生分でも確認されています。
これは、「チョン」という差別用語を使用しており、人権侵害にあたります。さらには、「消される」という文言を使うとともに、「殺人鬼在日韓国人朝鮮人」と続けており、在日コリアンに対する誤った偏見や差別意識を植え付けているとともに、差別を助長する行為にあたります。(5)5つ目に、「欺瞞と犯罪の巣窟「在日」を一掃しましょう!」や「腐れ切ったクソ朝鮮及び在日は何が何でも日本から叩きださなあかん」(第3回発生分)とあります。
「一掃」という文言を使うとともに「日本から叩きださなあかん」とつなげており、在日コリアンの人々等を排除しようとしている文書と言えます。(6)6つ目に、「日本に存在する犯罪組織は全て朝鮮(韓国)人です。」(第10回発生分)とあります。先程の「犯罪の巣窟」の文言をはじめ、第11回と第12回発生分でも「犯罪」という文言が使われています。
これは、在日コリアンの人々は“犯罪をする”という誤った情報を伝えることによって偏見を生み出し、差別意識を植え付けているとともに、差別を助長する行為にあたります。
3.2市で発生・確認された差別文書の頒布を通して
本事象では、確認されただけでも12回もの差別文書が頒布されていることから、行為者の在日コリアン等に対する強い偏見や差別意識とともに、それを他の人に伝えていこうとする意図が窺われる極めて悪質な差別行為といえます。
◇事例の対応
1.JR星田駅(交野市)発生事象への対応
(1)チラシを発見した職員は、すぐに管理駅へ連絡。管理駅から大阪支社及び交野市に報告した。
(2)連絡を受けた市職員は、発見時の状況を駅職員から聴取した。
(3)市職員から巡回の強化とともに啓発ポスターの掲示を依頼ところ、後日、駅職員から啓発ポスターを掲示することになったとの連絡があった。
2.大阪市内発生事象への対応
- (1)JR鴫野駅(大阪市城東区)発生事象への対応
①チラシを発見したJR鴫野駅職員は、すぐに管理駅(放出駅)へ連絡。放出駅長から城東区に報告した。
②連絡を受けた市職員は、発見時の状況をJR鴫野駅職員から聴取した。
③市職員から再発防止及び早期発見のため巡回の強化を依頼した。 - (2)地下鉄車両内発生事象への対応
①チラシを発見した地下鉄乗務員は、すぐに乗務所の運輸助役へ報告。
②運輸助役から運転課へ報告。運転課から管理課へ報告。
③管理課から総務課長代理(人権担当)へ連絡。
④総務課長代理(人権担当)から大阪市人権啓発・相談センターへ連絡。
⑤市民局の対応として、駅構内や地下鉄車内点検で
差別的なビラ等を発見した場合は、迅速に報告するよう徹底した。
- (1)JR鴫野駅(大阪市城東区)発生事象への対応