新着情報

2017年度 人権NPO協働助成事業


実践報告★交流会 報告


2017年度の人権NPO協働助成事業「実践報告★交流会」を、2018年3月23日(金)、HRCビルで開催しました。

協働した4つの助成事業について、これまで取り組まれてきた報告を行いました。その後、みなさんと交流しながら、今後の活動について情報を共有しました。

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小中学校での今日的な部落問題を伝える教材づくり事業

西成教育サポート6校連絡会


現在の小・中学校では、子どもたちが部落問題を十分に学ぶことができていない環境にある。部落問題を知らないまま社会に出てしまうことのないように、教職員が子どもたちに部落問題を伝えることができる教材づくりに取り組んだ。


教材を作成するにあたり、教職員と会議や学習会を実施して部落問題の理解を深めた。子どもに部落問題をどう伝えるのか議論する土壌ができたことや事業参加者が自分ごととして問題を考え始めたといったことなどの成果が見えてきた。

一方、学校で子どもたちに部落問題を伝えていく教員自身が部落問題の知識が少ないなど、課題も見えてきた。

今回見えてきた課題や地域での取り組みを含め、学校で子どもにどのように部落問題を伝えていくのか議論して実践していきたい。また部落問題を負ではなく誇りをもてるような仕組みづくり、部落の強み見える化、西成区内に拡大した部落問題学習を発展させていきたい。


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ようこそ矢田へ~外国にルーツのある子どもと保護者への支援~

特定非営利活動法人 共生と自立のまちづくり・ふれあい


矢田にある7つの小・中学校に在籍する外国にルーツのある子どもとその保護者に、より日常的でより地域に根ざした相談先である「ゆうあいセンター」を活用してもらうため、当事者のネットワーク化・組織化に取り組んだ。

学校と連携することで、対象となる矢田7校の外国にルーツのある子どもについての実態調査を行い、実態を把握することができた。交流を深めるために、「ワールド交流をつなげようの会」を開催した。それぞれの国の紹介のほか、郷土料理を調理してもらうなど、様々な国の食文化にふれることができただけでなく、当事者等の関係を作っていくことができた。


当初、幅広い支援を目標に取り組んでいたが支援することの難しさを実感した。もっと対象を絞るべきだったと反省している。取り組みの中で積み重ねた成果を大切にして、「支援」やネットワーク化についてもう一度考え直していきたい。


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ひきこもりの若者がつなぐ"地域の絆ホッとランチ"配食事業

特定非営利活動法人 南大阪サポートネット


ひきこもり当事者が、社会へ出るための最初の一歩を踏み出すためには、あたたかい関わりの中で小さな成功体験を積み重ねられる場が必要である。成功体験を積み重ねることのできる機会と場所を提供できる環境づくりに取り組んだ。

当事者と支援者が協力しながら、お弁当作りと配食に取り組んだ。また交流を深めるための様々なイベントを実施した。取り組みを進める中で自己肯定感を育むことができ、人や地域のためになっていることを実感することで、自己有用感を持つことができるようになった。

当事者自身がこの取り組みに参加するという選択をしてくれるようになったこと、社会への第一歩を踏み出した当事者がいたこと、当事者の成長する姿を見られたことなど、たくさんの喜びがあった。

ひきこもりの若者やその家族に情報が行き届くような広報や告知方法、広域連携の必要性、事業の実施回数、経費やスタッフについて見直す必要がある。当事者ひとりひとりの希望や段階に沿った機会を提供できるように工夫していきたい。支援活動の基盤となる収益をあげながら事業を発展させていきたいと考えている。


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性別って2つだけ?~知らないでは済まされないLGBT~

一般社団法人ELLY


子どもたちが小学校でLGBTについて学ぶ機会がなく、当事者はひとりで悩んでいる状態にある。現状の教職課程ではLGBTに関する知識を学ぶ機会がなく、子どもに教えることができていない。教員向け冊子を作成することで、相談できずに悩んでいた子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに取り組んだ。


当事者と教員が話し合う場を持ち、冊子の掲載内容や表現、指導案やデザインについて意見交換を実施。多くの意見が出されたものの、内容をまとめることに苦労した。また、まとめたデータが消えてしまったことや、デザイナー探しに苦労するなど多くの困難があったものの冊子は完成した。

完成した冊子をどのように広めていけばいいのかが課題である。講演会を実施した学校や教育委員会へアプローチを行うなどして冊子を広めていきたいと考えている。


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<2018年度助成団体からの事業紹介と意見交換>


2018年度から当協会と協働し、人権課題に取り組む4団体から事業紹介とこれからの抱負について話していただきました。また4つの実践報告を受けた中で質問を交わしたり、感想を述べあったりして参加者同士の交流を深めました。

ゲストスピーカーとして、出席いただいた田村太郎さん(一般財団法人ダイバーシティ研究所)、佐々木妙月さん(情報の輪サービス株式会社)から、各団体の取り組み報告を聞いての感想、評価、分析、助言、課題など具体的なコメントをいただきました。

・限られた助成期間で事業を進めなければならないなかで、やりたいことが多くなり、どうしても対象が広がりがちになってしまう。本当に必要なこと、求められていることが、ブレてしまうことのないように対象をできるだけ絞って取り組んでいくことが大切である。

・課題となるまちのこと、教育のこと、人権のこと、差別のこと、それぞれを感覚だけでなく実際に調査したデータにもとづいて、伝えていくことが大切である。


※各団体の詳しい事業企画については下記をご覧ください。


2017年度人権NPO協働助成金助成団体

人権NPO協働助成金助成決定


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・2017年度人権NPO協働助成金の募集案内

http://www.jinken-osaka.jp/2017/01/2017npo.html)

・2017年度人権NPO協働助成金の助成事業が決定しました。

http://www.jinken-osaka.jp/2017/03/2017npo_1.html

・協働事業で成果を上げるために...事業説明会&ワークショップ

http://www.jinken-osaka.jp/2017/06/2017npo_2.html

・2017年度人権NPO協働助成事業 中間報告・交流会9.21~後半の取り組みに向けて~

http://www.jinken-osaka.jp/2017/09/2017npojigyou.html


<とりくみほうこく>

①「お弁当づくり拠点清掃作業と当事者家族の会の方々との意見交換」 「冊子作成中!」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/06/2017npo_3.html

②「スタッフ、支援者、当事者家族の会との学習会と意見交換とお弁当作づくり試行」「意見交換会を開催!」「部落問題を考える「第一歩」がスタート」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/08/2017npo_4.html

③「意見交換会を開催!」「バザーに出す手作り品作成を中心としたボランティア作業や配食弁当の施策を当事者の若者と一緒に行いました」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/08/post_342.html

④「部落問題を考える2回目の学習会を開催」「第一回会食サロン配食弁当実施及び感想」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/10/2017npo_5.html

⑤「部落問題を考える3回目の学習会を開催」「第2回会食サロン配食弁当実施及び感想」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/11/32npo.html

⑥「みんなのおすすめ料理」 「第3回会食サロン配食弁当実施及び感想」

http://www.jinken-osaka.jp/2017/12/npo_6.html

⑦「第4回会食サロン弁当実施及び感想」「いよいよ完成間近!」

http://www.jinken-osaka.jp/2018/01/1npo_1.html

⑧「第5回会食サロン配食弁当実施及び感想」

http://www.jinken-osaka.jp/2018/03/npo_7.html

⑨「第6回会食サロン配食弁当実施及び感想」

http://www.jinken-osaka.jp/2018/04/npo_8.html


この人権NPO協働助成事業は、人権に取り組むNPO等の
ホップ・ステップ・・・を応援するために、大阪府人権協会の事業収益の一部を活用して自主事業として取り組んでおります。

より充実した内容へと発展させるために、皆様のあたたかいご支援・ご協力よろしくお願いいたします。


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