このような宣言をし、会社としての姿勢を明確にすることによって、応募される方の余計な不安を取り除き、採用面接をスムーズに進めることができるようになりました。採用には大変なコストがかかります。特に新卒採用は、社会経験のない学生を社会人として育てていくという意味においてもかなりの経済的・人的コストがかかります。入社後に「実は適性がなかった」などということを極力なくすには、限られた面接時間で応募者の能力や適性をしっかりと把握することが求められます。
ですから応募者には、これまでの生き方や、どんな課題にどのように取り組んできたかを聞き、その人の仕事に対する考えや姿勢を知ろうとします。学生時代の経験や、そこから学んだことを具体的に話してもらいます。自ら考え、行動してきた人は、ひとつの質問を投げかけると「そう言えば・・・」とさまざまなエピソードが出てきます。「その時、どう思ったのか?」「どんな行動をしたのか?」「その経験を別の場面で、どう生かしたのか?」と問いかけていくなかで、「人となり」が浮かび上がってくるのです。それこそが面接の意義であり、私たちが最も知りたいことであり、本籍や家族の学歴や職業などを聞いている暇などありません。
実際、こうした考え方を社内で共通認識として徹底した結果、特に新卒採用においては当社に合った能力、適性を持つ人を確実に採用できるようになってきました。