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読者に対するメッセージ |
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みなさんに私から知ってもらいたいのは、‘96年4月隔離法(らい予防法)がなくなる前、‘95年に長崎で「らい学会」が開かれたんだわ。
そんでその時の見解の中にね、「本来この病気は隔離の必要がなかった。」というようなことを書いてあるんや。わしはもう、腹が立ちましたわ。
わし、それまでは、人間の一生を隔離する病気や制度やから、医学会かどっかが隔離しなきゃいかんというふうなことでやっとったんかな、と思てた。しかし、本来この病気は隔離する必要がなかったんや、なんてことを他人事のように言うとるんですよ。
で、この前、大阪府の真相究明委員会の資料を見よったら、患者を療養所に隔離しただけじゃなしにな、医学そのものも療養所に隔離したような形になってしまった、と書いてあった。医学会自体がこう、広がりがなかったんじゃないかな。そのように言うてもろたら、ほんま、そりゃそうかな、という気がするね。
隔離の必要はない、やめよということがなかなかお医者さんの中から出なかったんじゃないかな。なんか、ほんまになんか他人事のように言うとんのは、よくよくこう腹が立ったわな。わしとしては、この病気はどこかへ隔離せなあかんことが決められとったと思ったけど、そうじゃないんだよなー、あれ。
治安維持、いうか、みにくいものとかを、感染するということはもちろんあるけど、そんなに取り締まって島流しにして。大体療養所を作ったところがおかしい。島とか、大阪にあった療養所だって、海抜0mのところへ作ったとか、社会の中からハンセン病を隠すような形で日本のらい病政策ていうのは始まっとるわね。だからそういう風なことが、我々としては非常に残念。
我々の病気っていうのは、今もうほとんど日本では発病しないですわ。だから30年もすれば日本の国からはハンセン病患者っていうのはなくなると思うんですわ。
しかしまあ、あとね、色々SARSとか鶏のインフルエンザとか新しい病気も見つかるし。隔離法というのがほんとはこりゃなかった方が良かったんだけど、しかし、日本の国としては負の遺産よね。ほんと。負の遺産。
だからこれにやっぱり学ぶようにもうちょっと科学的なことでそういう人たちに、人権も守りながらね、そういうふうな対処をしてくれるようなことにしてほしい、と、まあそないな風なことをわし、思とんやけどね。
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