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借金・ローン相談講座を開催
-借金・多重債務相談のノウハウを学ぶ-

 2010年2月2日、大阪人権センターにて、「ノウハウがわかる! 借金・ローン相談講座」を開催しました。この講座は、借金・多重債務相談のノウハウを学び、生活再建に向けた継続した相談を進められるようになることをねらいとし、人権協会・地域協議会や人権文化センター、市町村などの相談員を中心に42名が受講しました。
  講座では、まず、前川一彦さん(司法書士・よしの中央司法書士事務所)が、「多重債務問題の現状と法的処理の実際」について講演。借金・多重債務の解決にむけた法的手続きとして、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産という方法があり、それを選択する条件やそのメリットとデメリットなどを学びました。また、多重債務の相談を受ける相談員の基本姿勢として、相談者が解決の方向を選ぶための模索をともに進めることの重要性が語られました。
  続いて報告@として、本岡和巳さん(豊中市消費生活課多重債務者生活再建相談員)が、「多重債務相談の実例と課題」について報告しました。市として多重債務問題連絡会を設置し、福祉担当や税徴収担当なども入ったネットワークを築いていること。その担当課から多重債務相談に紹介されたり、逆に生活支援のサービスを実施する担当課につないだりしています。そこには、多重債務問題の解決のみでなく生活再建をめざすという視点があることが語られました。 
  次に報告Aとして、大阪府立西成高等学校の林田照男さんが、「多重債務に陥らない教育の実例と課題」を報告。困難な家庭状況を抱えた子どもが多く在籍する中で、「高校中退」の背景には学校に行けない状況があるとの認識から、貧困の連鎖を断ち切るために「反貧困学習」に取り組むようになりました。そこでは、具体的な教材を使いながら自分の生活を降り返って意識化することに取り組み、そこから自分の進路を切り拓いていくという、困難な子どもたちに生きる力を与えることにつなげています。
  講演と報告を受けて、質疑応答とまとめを行ないました。受講者からは、「債務を返済してどれくらいたってお金を借りられるか」「妻が夫の名義で借りた借金はどうすればよいか」「認知症の高齢者の借金はどうすればよいか」など、具体的な相談例からの質問が多く出され、前川さんに答えていただきました。
  受講者の感想では、「法的な仕組みや手続きをが具体的にわかった」「行政の担当課や行政サービスとの連携の大切さがわかった」「相談員の姿勢の大切さがわかった」「反貧困の教育が必要であることがよくわかった」などの感想が出されました。貧困問題が深刻化する中で、貧困問題に取り組む姿勢を学び、相談員が借金・多重債務の相談に活かせる講座となりました。

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