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識字・日本語連絡会 第18回総会・シンポジウムを開催

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●18年間の活動をこれからも
写真12007年5月19日(土)浪速区の大阪人権センターで、識字・日本語連絡会第18回総会を開催しました。大阪府内各地の識字・日本語教室や夜間中学校のみなさん約70人が集い、2006年度の活動の総括と2007年度の活動方針について話し合いました。

 総会は、上杉孝實(うえすぎ・たかみち)代表幹事のあいさつ、大阪市教育委員会社会教育担当課長の土橋貞幸(つちはし・さだゆき)さまからの来賓あいさつに続いて、高橋定(たかはし・さだむ)連絡会事務局長から2006年度の活動の総括と2007年度の取り組み方針と役員について提案がありました。
2006年度からは、識字・日本語の交流会や研修会などの事業は「おおさか識字・日本語センター」がおこなうことになりましたので、私たち識字・日本語連絡会は、2ヵ月に1回の幹事会で各学級の取り組みの情報交換を中心に活動をしてきました。また、広く使われている日本語学習用教材「みんなの日本語」の記述に、在日外国人問題に関わるものがあるとわかったことから、民族差別と闘う大阪連絡会議などと協力しながら、出版社に対して改訂の提案をしたり、外国人登録制度についての学習会をおこなったりしてきました。

●識字・日本語活動のあり方の研究にも取り組む
写真22007年度も、私たち識字・日本語連絡会は、おおさか識字・日本語センターの役員会や企画委員会に参画するとともに、ネットワークの充実や、法・計画といった施策を充実するように取り組みを進めます。またとくに、海外から日本に来て暮らす人たちが、どんどん増えていることに対応した学習の場や学習内容の研究と、大阪の識字活動の原点であり、特徴でもある被差別部落の識字学級のこれからのありかたなどについても研究活動を進めていくことになりました。

●識字・日本語活動のさらなる発展を
写真3
写真4
 総会終了後、おおさか識字・日本語センターとともに第18回識字・日本語シンポジウム『識字・日本語教室現在とこれから』〜識字・日本語教室のさらなる発展をめざして〜を開催しました。参加者は約90人でした。
シンポジウムでは、被差別部落の現状とこれからについて和泉識字学級の廣瀬聡夫(ひろせ・のぶお)さんと土井敏子(どい・としこ)さんが報告し、中国からの帰国者・渡日者とその家族がかかえている課題について、八尾市立八尾中学校夜間学級常勤講師の葉映蘭(イエ・エイラン)さんが報告されました。土井さんからは、電化製品が故障したときに、品番のアルファベットを店の人に伝えられなくて困った時に、識字教室に出会い、20年勉強を続けていること、これからも、死ぬまで勉強を続けたいと思っていることが話されました。広瀬さんからは、生活のために基本的に必要な言葉や読み書きなどは行政が直接担うべきだが、それ以上の生涯学習的な部分については、自主学習グループとして組織し、行政は運営を応援していくのが良いのではないかという提案もありました。葉さんからは、中国からの帰国者といっても、例えば一世二世は介護や福祉、お葬式のしかたなどの情報が必要だし、三世や四世には、祖父母や両親とコミュニケーションするための「母語」の習得が必要というように、世代や年齢必要としている支援内容がまったく違うこと。いわゆる新渡日者にとっては、何よりも日本でキャリアアップするための日本語の習得が必要とされていることなどが報告されました。また、中学校夜間学級の教師たちが、地元の識字・日本語教室とつながることがもっと進めば良いという希望も話されました。

●識字・日本語活動はつながりの場
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  会場の参加者からも、「ソーシャルワーク」の選択肢のひとつとしての識字・日本語教室というあり方が良いのではないか、という意見や、様々な人の必要としていることを、地域社会と教室がつながることで解決してきたという事例も発表されました。
コーディネーターの上杉孝實(うえすぎ・たかみち)さんから、部落の識字は元々、生活する力をつけるための場所として、読み書きを学ぶだけでなく生活相談や様々な形の社会参加ができる場だった。今、法律や制度も変わり、識字・日本語教室の形も、集まる人も多様になってきたが、人権文化センターなどの施設を借りるだけでなく、そこでの様々な活動とつながることで課題を解決したり、様々な機会に教室の関係者たちが交流しあうことが大切であるというまとめでシンポジウムは閉会しました。

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