失業率はあがる一方ですが、決して仕事がないわけではありません。働きたい人と仕事とをマッチングさせるためのコーディネイトがないのだと私は考えています。「働く力」を養ったり職業訓練を受けたりする場も十分ではありません。スキルだけの職業訓練なら通信教育でもできますが、本当の意味での職業訓練とは、自分のことをきちんと話せて、相手の話も聞くことができること。そして講師とコミュニケーションがとれ、若干のスキルアップをして元気になって卒業していくことです。就職が困難な人だけに注目をしていると、「挨拶ができるか」「通勤できるか」などと最初からハードルを設け、「あれもこれもしなさい」と追いつめてしまいがちです。そうではなく、その人ができることを見つけ、それをきっかけにチャンスを広げられるよう支援することが大切です。
A´ワーク創造館では、府立公園の指定管理を受ける団体と連携して「パークマネジメント科」という講座を行っています。これは国の緊急人材育成基金事業を活用して生活給を得ながら訓練を受け、理論も体験も習得した後に公園管理の就職をめざす講座です。このように学びながら自分の適性を見つけていくコースも今後広げていきたいと考えています。
これからの職業訓練や人材育成は、「すぐれた人材」を輩出することを目的とするよりも、一人ひとりに合った方法とペースでスキルアップしていくことが求められています。それがひいては社会全体の生活や経済を底上げすることにつながると考えています。
(財団法人大阪府人権協会は、A´ワーク創造館を運営する有限責任事業組合大阪職業教育協働機構に参画しています。)