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「今」だから、考えたい。
今後のこと

 事実、ハンセン病になったらこわいよ、なったらこわい。
 だけど、今は、もうほんまに後遺症も残らずに、2ヶ月くらいでもうちょっと注射打ったら治ることになっとんじゃ。ただ、日本では患者を隔離し、医学も隔離したからお医者さんが(ハンセン病のことを)知らんのですわ。
 わしこの前、インフルエンザの予防注射をこの医療センターへ受けに行ったよ。そしたらお医者さん、さあ、40前ぐらいの医者やったかなあ、「どうしたんや。」いうから「いや、先生、ハンセン病で、こうしてこうしてこっち来たんや。」言うたら「ハンセン病患者、見る、会うのは初めてや。」言うから、「いやいや先生わし、40年前から病気は治っとんやで。」言うて。それでも治ったように扱われなかったからこんだけ裁判が起きてね。
 お医者さんだって、感染をした人をすっと見つけてくれたらええけど、見つけるのが難しいやん。
 本来‘96年にハンセン病に効く薬いうような効能書きのある薬いうのはもうなかったんやで。みーんな結核の薬ていう効能でやっとったんや。‘96年のときに整備する言うたけどな。どれほど整備されてるかは分からんですよ。

 もう、仮に発病しても療養所には入れんことになってますからね、‘96年からあとは。地域のところで治す、ということで。
 だからもし、不幸にして患者さんが出た場合ね、地域の医療施設にかかるでしょ、よけい偏見なんかが起こらんようにと、それはわし、気にしとるけど。
 今はしかし、ほとんど発病する人はおらんと言っていいほどの状況にはなってるらしいです。日本ではまあ、7人ぐらいの人が発病している、でもそれは外国から働きにきてる人だけ。日本人では、ほとんどいない、いうような気がするけれど。そんな状況になっとるから日本人としては、いわゆるハンセン病問題は、解決したと言っていいんじゃないかな。
 今ある問題は、療養所におる4500人足らずの人たちがどういう風に最期を迎えるかっていうやつかな。
 新しい対策については、発病する人たちが今もうほとんどおらんから、大方終わったんじゃないかなと思うけれどもね。
 ただその、黒川温泉ホテルとか、ほかにもそういう心に宿っとる偏見ていうのはあるわね。
 しかし、我々ハンセン病元患者がおらんようになっても、偏見だけが社会に残るようになっちゃいかんなあと思てんのやけどね。

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