人権問題 基礎知識

犯罪被害者とその家族の人権問題

 犯罪の多くは、それ自体が他人の人権を無視した行為です。犯罪の被害にあった人やその家族は、命を奪われる、身体を傷つけられるといった直接的な被害だけでなく、身体や心の変調をきたしたり、医療費の負担や失職等による経済的な困窮、あるいは取材や報道によるプライバシーの侵害等からの深刻なストレスなど、さまざまな問題(二次的被害)に苦しんでいます。
 2000(平成12)年に、「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」が定められ、裁判における被害者等の優先的な傍聴など、被害者等の心情を尊重した被害の回復が図られています。また、犯罪被害者のおかれた悲惨な状況が認識されるに伴い、犯罪被害者に対する支援を求める社会的な機運の高まりを踏まえ、「犯罪被害者等給付金支給法」が2001(平成13)年に改正され、犯罪被害給付制度の拡充等について定められました。
 一人ひとりがその心情と立場を理解し、支えあっていくことが必要です。

出典:『大阪府人権施策の事業実施計画及び実施状況』(平成16年度版)