HIV感染者等の人権問題
人類はこれまで多くの感染症を経験してきましたが、感染症に関する誤った知識や思い込みから、感染症患者への偏見や差別意識を生むことがありました。
エイズ(AIDS;後天性免疫不全症候群)もそうした感染症のひとつです。
エイズはHIV(ヒト免疫不全ウィルス)の感染によって発症する病気です。HIVは、非常に感染力が弱く、感染経路も限定されているなど、正しい知識を身につけていれば、予防することも可能であり、現在では、治療可能な慢性疾患の一つとなっています。
1998(平成10)年には、感染者の人権に配慮した施策の推進を基本理念にした「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が制定されましたが、誤った知識や偏見などにより、HIVへの感染を理由に、退職の勧告、入園・入学の拒否、医療現場における診断拒否や無断検診などさまざまな差別や人権侵害が起こっています。
病気への正しい知識を持ち、感染者や患者が安心して病気に立ち向かえる環境をつくることが必要です。
出典:『大阪府人権施策の事業実施計画及び実施状況』(平成16年度版)