人権問題 基礎知識

外国人の人権問題

 2003(平成15)年末現在の外国人登録者数は、全国で約192万人と35年連続で過去最高を記録しており、そのうち、大阪府には140カ国約21万人の外国人が暮らしています。
 このように国際化が進む一方で、外国人の文化、習慣、価値観への理解が不十分であることなどから、就労における差別や入居差別、差別落書きなどの事例がみられます。
 また、日本語の習得が十分でないため、暮らしにかかわる各種サービスが受けにくかったり、困ったことが起きた場合の相談機関がわからないなど、在日外国人が日常生活を送るうえでの不安が少なくありません。福祉サービスについては、言葉や食事、生活習慣の違いから、サービスの利用が難しい状況も見受けられるところです。
 制度的には、外国人登録証明書の常時携帯義務や、国民年金の受給資格が得られなかった在日外国人の高齢者、障害者の問題などがあります。
 大阪府には、歴史的経緯を有する在日韓国・朝鮮人が多く暮らしていますが、拉致事件の発覚以降、在日韓国・朝鮮人、とりわけ在日外国人学校の児童生徒への嫌がらせや暴言・暴行等の事象が発生しています。また、在日韓国・朝鮮人の中には、様々な差別を回避するために、その意に反して本名ではなく通名(日本名)で生活せざるをえない人もいるといった問題もあります。
 人権尊重の機運が国際的にも高まる中、大阪が世界都市として発展していくためにも、在日外国人を含むすべての人の人権が尊重され、その個性と能力を発揮できる豊かな社会を実現することが必要とされています。

出典:『大阪府人権施策の事業実施計画及び実施状況』(平成16年度版)