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「おおさか人権協会連絡協議会 2025年度第2回代表者会議を開催」

■第2回代表者会議の開催

 11月4日、HRCビルにおいて開催し、45人の方に出席いただきました。田村賢一会長(大阪府人権協会代表理事)から同対審答申1965年から60年の節目であるとした開会あいさつがありました。

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 次に大阪府人権協会からの取組報告として、相談に関してのサポート情報や人権NPO協働助成金事業の紹介、それから、総会や代表者会議などでご意見いただいた専門部会について、今年度は「就労支援相談」についての専門部会を2~3回程度開催し、総会等で実施内容を報告する旨を提案し、参加者に確認をしてもらいました。

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 第2部は学習会として、講師に近畿大学・人権問題研究所の北口 末広さんを迎え、「『同対審』答申60年と『部落地名総鑑』発覚50年」をふまえ~過去・現在・未来を考察する~について講演いただきました。部落地名総鑑事件とは、1970年代、全国の企業が採用選考や昇進判断のために、いわゆる「被差別部落」の地名や世帯数、位置図などをまとめた冊子(部落地名総鑑)を購入・閲覧し、応募者の出身地を照合して採用差別を行っていたことが発覚した事件です。部落地名総鑑は複数販売され、企業が差別を公然と「情報管理」「リスク管理」として実施し、社会的に容認されていたという点に、この事件の深刻さがあります。

 部落地名総鑑事件は、1975~78年の新聞報道や糾弾活動によって社会問題化し、採用差別の根絶、個人情報保護の議論、人権啓発政策の転換などにつながりました。これは同対審答申に示された「国民的課題としての差別解消」を具体的政策へ発展させる大きな契機となった点でも重要です。北口さんはまさにこの問題を当事者として体験されており、ある企業から部落地名総鑑について連絡があったことなど、リアルなお話が聞くことができました。

 しかし講演でも指摘があったように、事件が「歴史」にとどまったわけではなく、現代においても情報技術や社会環境の変化を背景に、形を変えた差別につながる事象が確認されています。たとえば、ネット上での差別情報の拡散、デジタル化による属性追跡、採用管理システムによる無意識の選別など、今なお人権侵害のリスクは存在しています。つまり、部落地名総鑑事件は過去の特殊事例ではなく、今日の社会における「情報と差別」「制度と排除」を読み解くうえで重要な歴史的教訓であると感じました。

 また、事件の全容解明にあたり、大阪府が果たした役割の大きさや、差別解消への取組として差別的調査を禁止する条例など、人権を伸展させていく上での行政の役割の大きさを再認識する機会となりました。

 今回の講演を通して、歴史を学ぶことは過去を振り返るだけではなく、制度、政策、企業倫理、そして社会の意識がどのように形成され、またゆっくりと変化し続けているのかを可視化する営みだと実感しました。現在はデジタル差別身元調査も可能な時代となっています。情報が重なることでセンシティブ情報になることや、自身の趣味嗜好などのフィルターに基づいて偏った情報収集が行われることに留意し、今後も、行政や制度に任せるのではなく、市民一人ひとりが人権感覚を持ち、社会の変化を注視しながら関わり続ける必要性を改めて感じました。

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 第3部はグループに分かれて、各団体の取り組みや困りごとなどの情報交換や交流を行いました。今回は「相談」を大テーマに、「就労支援相談」と「就労支援以外の相談」「幅広い交流」とテーマ別に話合い、その内容を全体で発表し、共有しました。参加者からは「他市の様子を直接聞けたのがよかった」「同じ人権担当者とつながりを持つことができ、相談しやすくなった」などの感想をいただきました。