★2018年度人権NPO協働助成金★
活動紹介⑬
「ひきこもり」当事者の多様な居場所・自助会展開事業
団体名/NPO法人ウィークタイ
ウィークタイの11月と12月のある日
●11月10日(土) 「だらだら集会&ピア・サポートミーティング-失敗で遊ぶワークショップ-」 参加者数:6名
代表泉翔が東京出張のため、理事の武久真大と会員の内田健太郎さんが、当日の運営を担いました。代表不在かつ担当を他の人が担うということはだらだら集会史上初の試みで、代表と担当どちらも不安と期待の中、当日を迎えました。
ピア・サポートミーティング参加者からの意見で、「ウィークタイは代表個人に依存した団体ではなく、たくさんの力を持った団体ということが分かって良かった」というものがあり、参加者の満足度も一定保ちつつ、また新しいウィークタイをお見せすることができたと思います。
ワークショップは今回は足達龍彦さんをお呼びし、「演じること」を用いて自身の失敗の思い出を上書きするという経験をするものでした。参加者個人の思い出を出していただくことに依拠した企画でしたが、参加者は進んで経験を出してくださり、経験を語ることが潜在的に高いニーズとしてあることが理解できました。
●11月11日(日) 「キミとボクの居場所の作り方 とよなか場づくりカレッジ」 参加者数:17名 担当:泉翔、武久真大(ウィークタイ)、足達龍彦
様々な居場所づくりの現場で活躍する担い手のサポートを受けながら、一般参加者の「やってみたい」を実現できる居場所をデザインし、希望者には後日、実際に居場所を運営してみるという、2回立ての「居場所の担い手を増やす連続企画」の1回目として開催しました。
実践者4名と代表泉翔の居場所についての座談会の後、「やってみたい」を集め、対話を中心としたワークショップを行ない、結果1つの居場所ではなく、居場所を1か所に多く集めたおまつりのようなイベントを行なうことが決まりました。
少し長い時間がかかりましたが、多くの思いを持った参加者が1つの実際のイベントにしていく過程を見させていただいて、当事者がその短時間で失敗と成功から学びとり、どうすれば自分の思いがより伝わるかと奮闘しているのが手に取る様に感じ取れました。当事者に必要なものの1つとして、「多くの経験」なのだと思わされました。
●11月18日(日) 「だらだら音楽集会」
参加者数:8名 担当:泉翔、武久真大(ウィークタイ)、足達龍彦
「居場所の担い手を増やす連続企画」の参考としての見学会、そしてNHKの取材も入るという、いつもの参加者からすると少し変わった経験となる日だったと思われます。武久自身は新任理事ということもあり、初参加となりました。
参加者の1人がオリジナルの曲を持ってくるなど、参加者ひとりひとりがこの居場所に望む高いモチベーションを感じました。音楽という特定の技能や知識を所持したことが前提となる居場所の持つ、より強固な連帯感を実際に見させてもらうことで、居場所が単一の大きなものであってはならず、社会に無数に存在することの必要性を再認識した場でもありました。
●11月24日(土)「いろいろ集会-谷諒次と同じ空間で「何もしない」をしたりボーッと過ごしたりお喋りをする会-」
参加者数:9名 担当:谷諒次
ひきこもり当事者が普段家で一人でいるとき、人と関わる機会のないときに感じる、「人と話すのは億劫だけど、孤独なのはイヤだ。一緒に何かするわけじゃないけど、誰かと一緒にいたい」という欲求や、何もしていなくても存在を承認されている安心感を得たい気持ちを、ネットで繋がるのではなく現実世界の同じ空間にいることで叶えるコンセプトで開催する本企画の第3回目です。
この日は東京からの視察もありましたが、参加者同士の関係性ができていたこともあり、和気あいあいとした形で、こたつを囲んで対話をする時間が長くとられました。物理的に「あたたかい」という状況は、晩秋から冬にかけて人と人の距離を縮めるファクターになるな、と過去の経験も踏まえて思い出した1日です。
●12月2日(日) 「もぐもぐ集会」 参加者数:6名 担当:泉翔
メニューはミネストローネとミートソーススパゲッティ。調理の時間は手慣れた参加者のおかげでスムーズに進み、参加者同士の会話に花が咲く会でした。過去、もぐもぐ集会に来てくれていた故人の話など、しんみりする場面もありましたが、そうやって思い出を共有できる、してもいいと思える関係性が参加者にあったことが大変嬉しく思いました。
●12月9日(日) 「ひきこもりコネクト」
参加者数:121名 担当:泉翔、武久真大
人権研修として企画を開始し、何らかの支援を必要とする人々を「生産性」と結び付け、「支援の重要度ないしは必要性については「生産性」によって検討されなければならない」という風潮に対抗する意味を持たせています。
「生産性」に紐づいた当事者への批判は、当事者にとっては「経済的に価値のない私は一体何者なのか」という実存の危機を生じさせる。それはすなわち「私は生きていて良いのだろうか」という自身の生存そのものを脅かす危機的状態をつくり出しているというウィークタイの考えを出発点に、「家族として当事者に向き合うとは?」「ピアという観点から当事者に向き合うとは?」という基調講演と「『生産性の無い』"ひきこもり"に人権はあるのか」という題でのシンポジウムからなる本イベント。
無事開催できたことで、ウィークタイの理念的屋台骨がより強固になったことが何よりの収穫です。
●12月16日(日)「居場所の居場所-生きづらさを考える集い-」
参加者数:26名 担当:武久真大(ウィークタイ)、足達龍彦
「居場所の担い手を増やす連続企画」の2回目、実際に新たな居場所の担い手として、居場所を運営してみる企画です。6企画が1つの会場に集まり、実際に居場所の世話人として4人の新たな担い手が企画を行ないました。
当日は新しいことに挑戦しようとしている人の緊張感と期待感の入り混じったとてもフレッシュな空気に溢れており、その雰囲気に接するだけで背筋が伸びる思いでした。各企画とも、担い手には満足感がありつつも、次への課題をそれぞれ掴まれておられるなど、次にも繋がる会になりました。
次回以降の開催の要望も強く、次年度の事業として検討が必要となりました。
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○2018年度人権NPO協働助成金の募集案内
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/02/2018.html)
○2018年度人権NPO協働助成金の助成事業が決定しました。
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/03/2018npo.html)
○協働事業で成果を上げるために...事業説明会
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/05/2018nenndo.html)
<これまでの活動報告>
①「ウィークタイの4月のある日」(ウィークタイ)
「5月定例会議」(シングルマザーのつながるネットまえむきIPPO)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/06/4npo.html)
②「いよいよ準備開始しました」(CAPセンター・JAPAN)
「網戸張り替え隊実施報告」(3地区まちづくり合同会社AKYインクルーシブコミュニティ研究所)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/06/npo4.html)
③「ウィークタイの5月6月のある日」(ウィークタイ)
「6月定例会議」(シングルマザーのつながるネットまえむきIPPO)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/07/npo_9.html)
④「第1回目講座決定!」(CAPセンター・JAPAN)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/08/npo_capjapan.html)
⑤「おかあさんのための子どもとの交流安全教室」終了!(CAPセンター・JAPAN)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/08/npocapjapan.html)
⑥「座談会・ワークショップ」実施報告(3地区まちづくり合同会社AKYインクルーシブコミュニティ研究所)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/08/npoaky.html)
⑦2018年度連続学習会「シングルマザーをめぐる諸問題」(シングルマザーのつながるネットまえむきIPPO)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/09/npoippo.html)
⑧講座「チャイルドビジョンを体験しよう!」の実施決定(CAPセンター・JAPAN)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/11/npocapjapan_1.html)
⑨「企業さんとの連携を模索しています」(CAPセンター・JAPAN)
(http://www.jinken-osaka.jp/2018/12/npocapjapan_2.html)
⑩講座「チャイルドビジョンを体験しよう」実施報告(CAPセンター・JAPAN)
(http://www.jinken-osaka.jp/2019/02/npo_capjapan_1.html)
⑪「MONO捨て隊」実施報告(3地区まちづくり合同会社AKYインクルーシブコミュニティ研究所)
(http://www.jinken-osaka.jp/2019/02/mono3aky.html)
⑫シングルマザーのつながるネットまえむきIPPO交流会&「IPPOさん福袋」作成日」(シングルマザーのつながるネットまえむきIPPO)
(http://www.jinken-osaka.jp/2019/03/npoippoippoippo.html)
この人権NPO協働助成事業は、人権に取り組むNPO等のホップ・ステップ・・・を応援するために、大阪府人権協会の事業収益の一部を活用して自主事業として取り組んでおります。より充実した内容へと発展させるために、皆様のあたたかいご支援・ご協力よろしくお願いいたします。