【大阪府委託】平成28(2016)年度
「相談事例研究会」を開催しました
人権相談機関ネットワーク加盟機関の相談員等を対象として、実際の相談事例を題材に、その適切な対応方法等について検討・学習する場を提供することにより、相談スキルの向上と、加盟機関同士の交流・連携の活発化を図るため、「相談事例研究会」を開催しました。
大阪府内の4カ所で開催し、延べ59人の方にご参加いただきました。
開催日時・場所
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- 1回目 11月 8日 (火) 14:00~17:00 交野市ゆうゆうセンター【保健福祉総合センター】
- 2回目 11月22日(火) 14:00~17:00 堺市立消費生活センター
- 3回目 12月 6日 (火) 14:00~17:00 とよなか国際交流センター
- 4回目 12月20日 (火) 14:00~17:00 富田林市役所
当日の様子
1.講義「アセスメントについて」、「昨年度の相談事例の解説等」
奈良佐保短期大学准教授 潮谷光人さんから、相談を受ける上で大切な「アセスメント(相談者の生活全体の情報収集)を意識した支援」についてお話をしていただきました。
アセスメントのポイントとしては、次の(1)~(5)があり、特にストレングス視点を重視したアセスメントを行うことの重要性についてご説明いただきました。
(※)ストレングスとは相談者の強み(「おもい」、潜在的な能力、長所など)というプラス面のこと。課題だけに着目するのではなく、ストレングスに焦点を当てることで、相談者を肯定的に捉えることができる。
○アセスメントのポイント
(1)基本となるアセスメント項目と幅広いアセスメントの項目の両方を理解しておくこと
(2)対象やテーマ別にアセスメントを行うこと
(3)ストレングス視点をいかしたアセスメントを行うこと
(4)リスクへのアセスメントを行う
(5)他機関での行なわれたアセスメントと比較すること
また、昨年度の事例研究会で取り扱った事例についても取り上げ、支援のあり方や今後の課題について解説をしていただきました。
2.相談事例の報告
各回の事例研究会で題材とした相談事例について、提供していただいた相談機関からその事例の概要を報告していただきました。(相談事例の概要は以下からWORD・PDFファイルをダウンロードできます)
○事例1 精神障がいのある一人暮らし女性
○事例2 家庭内暴力とひきこもり
家庭内暴力とひきこもり.doc
家庭内暴力とひきこもり.pdf
○事例3 就労支援から家族支援への展開
就労支援から家族支援への展開.doc
就労支援から家族支援への展開.pdf
○事例4 高齢者世帯におけるDV
3.グループワーク
4~5人のグループに分かれ、2.で報告のあった事例について相談者のストレングスを重視したアセスメントを出し合い、課題や対応策を話し合いました。利用する制度や連携する相談・支援機関などについても具体的な議論がなされました。
4.まとめと助言
3.で整理した結果を各グループから発表し、参加者同士で考え方や気づきを共有しました。また、併せて、潮谷さんからアドバイスをいただきました。
参加者の声(アンケートより)
・考えさせられる事例ばかりですごくためになる。ただ聞いてつなぐだけでなく、相談者の家族にもきめ細やかな配慮をする必要があることがわかった。
・ジェノグラム(家族関係を図式化したもの)やストレングスなど新しい知識が得られたので、これからの相談に活かしたい。
・いろいろな方と事例研究会で話すことで、様々な視点から考えることが出来て良かった。
・アセスメントについての全般的な説明と具体的事例の検討等、内容が充実して良かった。
・相談事例で検討課題が多く、広く柔軟に考えをめぐらせる訓練になった。思考の偏りにも気づくことができた。
ご参加くださった皆様、事例報告をしてくださった皆様、ありがとうございました。来年度も、各機関のさらなる相談スキルの向上と、相談機関同士の交流・連携の活発化に向け、「相談事例研究会」を開催する予定ですのでご参加のほどよろしくお願いいたします。