【大阪府委託】平成27(2015)年度
「相談事例研究会」を開催しました
人権相談機関ネットワーク加盟機関の相談員等を対象として、実際の相談事例を題材に、その適切な対応方法等について検討・学習する場を提供することにより、相談スキルの向上と、加盟機関同士の交流・連携の活発化を図るため、「相談事例研究会」を開催しました。
本年度は、大阪府内の4カ所で開催し、合計53名にご参加いただきました。
開催日時・場所
- 河内南ブロック 11月10日(火)14:00~17:00 藤井寺市立市民総合会館別館
- 泉州ブロック 11月17日(火)14:00~17:00 岸和田市立公民館
- 北摂ブロック 11月24日(火)14:00~17:00 高槻市役所総合センター
- 河内北ブロック 12月 1日(火)14:00~17:00 旧三洋電機守口第一ビル
当日の様子
1.講義「ケース会議の持ち方と相談対応の準備」
奈良佐保短期大学准教授 潮谷光人さんから相談体制の整備や、効果的なケース会議の開催・運営方法などについてお話いただきました。
・子ども、障がい者、高齢者、DV、経済的な問題といった課題ごとに、支援制度などを整理しておくと、スムーズに相談に対応できること
・連携できる地元の相談機関や支援機関などをあらかじめ調べておき、連絡先をリストアップしたり、電話・訪問等により話ができる関係を作っておくことで、連携による適切な支援が行いやすくなること
・他機関につなぐ際、相手先でスムーズに相談を受けられるように、『紹介状』の様式を作っておくことが有効であること
②ケース会議の持ち方に関しては、
・自団体だけでなく連携機関といっしょに行うケース会議の必要性
・他機関と合同でケース会議をする際には、報告書やジェノグラムの書き方を統一しておくと、参加者が、相談内容を理解しやすくなること
・相談員が、自分のケースを一人で抱え込んでしまうのを防ぐためには、他の相談員や他機関との間で、互いにスーパーバイズできる体制をつくることが有効であること
など、示唆に富んだお話をしていただきました。
2.相談事例の報告
各ブロックにつき、ひとつの相談機関から、相談事例を報告していただきました。(相談事例の概要は以下からWORD・PDFファイルをダウンロードできます)
事例1 娘から暴力を受け、また、生活に困窮している女性からの相談に対し、コミュニティソーシャルワーカー等と連携して対応した事例
事例2 ひきこもり状態の息子から暴力をふるわれている父親からの相談に対し、コミュニティソーシャルワーカーや就労支援機関等と連携して対応した事例
事例3 娘が彼氏からDVを受けているという女性からの相談に対し、警察等と連携して対応した事例
事例4 夫からのDVに悩む子どものいる女性からの相談に対し、幼稚園等と連携して対応した事例
3.グループワーク
いくつかのグループに分かれ、2.で報告のあった事例について課題や対応策を話し合いました。その結果(利用する制度や連携する相談・支援機関など)を、模造紙や付箋を使って整理しました。
3.で整理した結果を、各グループから発表し、参加者同士で、考え方や気づきを共有しました。また、併せて、潮谷さんからアドバイスをいただきました。
参加者の声(アンケートより)
・相談対応について普段から準備ができればいいと思いました。地域の相談に関わる関係機関の整理もしてみようと思いました。
・事例研究の必要性や、相談に対する姿勢など大事なことがとてもわかりやすかったです。スーパーバイザーの必要性などもわかりやすくてよかったです。
・初めに講師のお話で、事例研究の概要を学ばせて頂き、後半でグループに分かれてワークシートをまとめたので身につきました。
・いろいろな立場の方からの意見や情報を聞くことができ、とても勉強になりました。
・ケース会議の実際のワークをさせて頂き、様々な相談機関の相談員さんの意見を聞いたり、一緒に考える機会も頂き、ありがとうございました。勉強になりました。
ご参加くださった皆様、事例報告をしてくださった皆様、ありがとうございました。来年度も、各機関のさらなる相談スキルの向上と、相談機関同士の交流・連携の活発化に向け、「相談事例研究会」を開催する予定です。ご参加、ご協力のほどよろしくお願いいたします。