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・・・・・第115回・・・・・



hosi.jpg自分のペースで得意なことを生かせる、


出会いと交流の場


パーソナル・サポート・センター「あおぞら」

ほ し ぞ ら






 大阪府箕面市粟生団地の一角にパーソナル・サポート・センター「あおぞら」があります。

 さまざまな背景によって、社会とつながりにくい、なじみにくいと感じたことのあるメンバーがリラックスして過ごせる場です。利用者で構成されたグループ「ほしぞら」は、「あおぞら」を拠点にフリーペーパーの発行やメンバーの作品を展示販売する展示会、農園での野菜づくりなどの活動をしています。

それぞれのペースで働きながら「ほしぞら」で活動しているメンバーのみなさんの自己紹介と活動紹介です。




sub_ttl00.gif  ・・・Bさん・・・
        
                                                       

 仕事などが大変でも、ここに来てみんなとしゃべったり好きなことをしたりする時間をつくれるというのはすごくいいこと。職場では言えないことも、ここには聞いてくれる人がいます。


 私は絵を描くのが好きで、フリーペーパーにも描いています。展示会では自分の絵をメモ帳やしおりにして販売します。ほかのメンバーもパンを焼いたり、辞書を丸ごと暗記したり、ビーズでオリジナルのアクセサリーを作ったり、編みぐるみが得意だったりと、それぞれに得意なものがあります。
文章のセンスがいい人も何人もいて、すごいなあと思います。得意なものを出し合って、みんなでフリーペーパーや展示会をつくりあげていきます。展示会で出た利益で次の商品をつくったり、必要なものを買ったりするのが楽しみです。


 ずっと「あおぞら」で活動してきましたが、今度初めて和歌山まで遠出をすることになりました。みんなで行きたいところを出し合って選んだ場所なので、楽しみです。

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・・・Mさん・・・


 わたしが「あおぞら」にきたきっかけは、仕事探しにつまずいたことでした。35歳を過ぎてから選べる仕事の枠が狭くなっていって、らいとぴあ21(箕面市立萱野中央人権文化センター)に相談に行ったら「こんな場所がありますよ」と紹介してくれたのです。

 掃除やお店のちょっとしたお手伝いなどのボランティアをしたりしながら、仕事探しを手伝ってもらいました。今の仕事はハローワークで見つけたアルバイトで、週4?5日のペースで働いています。接客が得意ではないので、ずっと体を動かす仕事をしてきました。今も力仕事がメインですが、人の多い職場なので気疲れすることもあります。


「あおぞら」を通じてグループ「ほしぞら」に参加するようになったのですが、ここは一人でゆっくりしたい人も誰かとしゃべりたい人も気兼ねなく過ごせます。わたしも週末の会議にはほとんど参加しています。


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sub_ttl00.gif  ・・・Tさん・・・

 わたしは箕面産の実生柚をつかったスキンケア商品や自然食品を製造販売する会社で働いています。お店で接客もしますし、冬場は収穫した柚の分別作業のために山に通ったりもします。

 独学で何でも勉強してきました。特に植物や害虫対策などは専門的に勉強しています。「ほしぞら」では得意分野を生かして菜園の世話やフリーペーパーに「ものしりコラム」を連載しています。ビーズなどでオリジナルアクセサリーも作ります。イメージを聞いてから作るオーダーメイドもできます。

 自宅も箕面市内ですが、運動のため片道50分かけて歩いて来ます。週末はだいたい「あおぞら」に来て、ミーティングや編集会議に参加しています。夏場はこれに菜園の水やりや草抜き、害虫駆除などが加わるので忙しいですが、冬場は少し楽です。先日みんなでほうれん草の種まきをしました。収穫したものはみんなで料理して食べます。



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フリーペーパー「ほしぞら」の表紙には、まだ出会っていない仲間に向けたメッセージがあります。




『ほしぞらは、暗闇を照らす星を見つけるためにスタートしました。

          嬉しい時や、悲しい時や、一人の時に、

          その心を照らす出会いが見つかれば、

          きっと、人の輪は広がっていくと思います」


 グループ「ほしぞら」には「あおぞら」で相談員をしているスタッフもメンバーとして参加しています。「あおぞら」がおこなっている相談は、既存の資源を有効に活用しながら、一人ひとりの状況や気持ちに寄り添いながらともに考える「伴走型支援」を理念としています。「ほしぞら」はその理念をベースにしながら、さらに自分たちで動こうとするメンバーの思いと可能性を広げる場です。


 「あおぞら」は今まで国や府の補助金等を受けて運営してきましたが、2015年3月末でそれらの事業自体が終了となります。メンバーたちは手作りのチラシを作るなどして多くの人に「あおぞら」やグループ「ほしぞら」の存在を伝え、支援を求める活動も始めています。

(2015年3月掲載)