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![]() ![]() ![]() 加藤 秀樹(かとう・ひでき)さん NPO法人おおさか若者就労支援機構 |
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私たちNPO法人おおさか若者自立支援機構は、厚生労働省の委託を受けて「若者自立塾」をひらいています。若者自立塾とは、「ニート」や「ひきこもり」状態にある若者の自立・就労を支援するものです。現在、全国に30カ所あります。それぞれに特色があり、私たちは特に「コミュニケーション」、「仲間づくり」に重点を置いています。なぜなら、仕事をしていくうえで最も重要なのが人とのコミュニケーションだと考えているからです。 |
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若者自立塾は、3ヶ月の合宿生活が最大の特徴です。初めて出会った者同士、しかもコミュニケーションが苦手なメンバーが3ヶ月間も寝食をともにするのは並大抵のことではありません。なじむのに時間がかかる人もいれば、自分の気持ちをなかなか表現できない人もいます。毎回、約10名のメンバーの状態をみながら臨機応変にプログラムを組み替えます。今は10期目に入っていますが、基本のプログラムは同じでも最終的にはそれぞれ内容が違います。 |
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もうひとつ、大切にしているものは「自主性」です。基本的な枠組みをつくるのはスタッフですが、できる限り塾生たちが議論し、コミュニケーションを図りながら活動していけるプログラムにしています。掃除や食事の当番など合宿生活のルールや、空いているコマのプログラムは塾生たちが決めます。そのためのディスカッションの時間は十分とっています。議論するなかで、自分の気持ちを表現できなかった塾生からも自己主張が出てきます。「自分はこう思うが、あなたはどう思う?」といったやりとりも学び、身につけていきます。 |
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3ヶ月間、社会で自立し働いていくために必要なことをみっちり実践するなかで、就労意欲が芽生えてきます。せっかくの意欲を維持するために、卒業後の受け皿として地域の公営住宅を借りる「チャレンジハウス」をつくりました。半年から1年を期限に、求職活動をしながら自活に慣れていきます。塾から50mという距離なので、気軽に塾や事務所に顔を出すことができます。チャレンジハウスに入ったメンバーは、その後もほとんど地元に帰らず、塾の近辺で部屋を借り、働きながら一人暮らしをしています。
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