![]() |
![]() ![]() ![]() 植田 あゆみ(うえだ・あゆみ)さん しんぐるまざぁず・ふぉーらむ関西SKYパレット |
![]() |
![]() |
ひとり親家庭の数は年々増えていますが、ひとり親家庭の子どもの気持ちに目が向けられることはほとんどありません。そのことに気づいたのは、両親の離婚によって、私自身が当事者になってからでした。 |
![]() |
大学2年の時に「しんぐるまざあず・ふぉーらむ関西」が主催する講座で、母子家庭の子どもとして話をする機会がありました。それをきっかけに講座などのお手伝いをするようになったのです。年齢が近いスタッフと、母子家庭であることについての周囲の反応や言われて嫌だったことなどについて話し合っているうちに、「同じ思いをしたことのある子が他にもいるかもしれない。もっといろいろな子に話を聞いてみたい」と思いました。最初は興味本位だったのですが、「母子家庭の子どもの声を拾い上げたものはないから、形に残るものを作ったら?」というスタッフのアドバイスを受け、助成金を受けて冊子を作ることになりました。 |
![]() |
母子家庭になった事情はそれぞれ違いますが、同じ質問をするなかで共通点も見えてきました。「周囲の大人や友だちの反応でやめてほしいことは?」という質問には、「同情されること」「母子家庭であることを知らない子に、そういう話には触れないように言ってるみたい。そういうことはあんまりしてほしくない」など、憐れみや気遣いのまなざしに傷ついていました。そして、さりげなく受け止めてくれたり、話を聞いてくれたりするだけでうれしいという声が複数ありました。 |
![]() |
私がそう思えたのは、それまでに年に数回は父と会い、「つながり」があったというのも大きいと思います。長い間会っていなければ、本音を話し合うことは難しかったでしょう。だから、ひとり親家庭の子どもが別居している親に会いたいという気持ちになった時は、できるだけ会えるようにしてほしいのです。両親だけで調整するのが難しい場合は、サポートしてくれるシステムがあればいいなと思います。 |