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![]() ![]() ![]() 髙群 哲也(たかむれ・てつや)さん (財)大阪府暴力追放推進センター 専務理事 |
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(財)大阪府暴力追放推進センターは、1992(平成4)年に制定された暴力団対策法(暴対法)の31条の規定を受けて全国の都道府県に設立されたうちのひとつです。暴力団追放、薬物乱用防止のための広報啓発や暴力団による被害者等の救済・支援、少年に対する暴力団の影響を排除するための活動など、さまざまな事業をおこなっていますが、中心となるのは暴力団に関する相談です。トラブルに巻き込まれた人が「この程度のことを警察で取り上げてもらえるのだろうか」とためらうことは珍しくありません。そこでまずセンターで相談を受け、警察に引き継いだり弁護士を紹介したりしながら、最善の解決法を一緒に考えていくという形が考えられたのです。府内に4ヶ所の相談室があり、警察OBである相談員が常駐しています。 |
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ごく一般的な市民生活を送っている人にとって、暴力団は遠い存在のように思われるかもしれません。しかし事業をされている場合などは、さまざまな形で暴力団がからんできます。製造業なら製品に、飲食業なら食べ物やサービスにクレームをつける。大きな企業に対しては、下請けなどの仕事を回せと言ってきます。最近では短期間で大きな利益をあげられる証券や株などの業界にも進出し、「経済ヤクザ」などと呼ばれています。日常生活の場面で市民に迷惑をかける、いわば昔ながらの暴力団もあれば、企業に入り込んで活動する「経済ヤクザ」もいる。彼らも生き残りをかけて、さまざまな方面に進出しているのです。 |
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残念なことに、人を怯えさせる言葉として「人権」「差別」といった言葉が使われることがあります。「人権について勉強してはどうですか」「差別についてどう思いますか」と言われ、困惑や恐怖を感じて一歩も二歩も下がってしまう人が少なくありません。その最初の対応が“勝負どころ”なのです。彼らは常に利益とリスクとを天秤にかけています。どの程度まで押せば思うようになるか、体験的にわかっています。恐喝などで捕まってしまえば元も子もないわけですから、捕まらないようにしながら、いかに相手を怖がらせるかというところに全力を尽くすのです。そのために演技もします。電話なので“道具”は声だけですが、独特のすごみを効かせた言い回しをします。“セールストーク”の例文もあるようです。「びびっているな」と感じたら、相手はどんどん押してきます。 |
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気になるのは、相談してこられる方が、まず「この団体は本物ですか、それともニセモノですか?」と訊かれることです。団体が正規のものであろうとなかろうと、行為が常識の範囲を逸脱していることが問題なのです。えせ同和行為の「えせ」とは、団体が正規ではないという意味ではなく、行為そのものを指していることをお伝えします。 |