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![]() ![]() ![]() 水越 洋子(みずこし・ようこ)さん ビッグイシュー日本版 編集長 ![]() |
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2003年に『ビッグイシュー日本版』を創刊しました。「ホームレスの仕事をつくり、自立を応援する」と謳っている通り、1冊90円でホームレスの販売員さんに卸し、200円で売ってもらいます。差額の110円が販売員さんの収入となります。最初の10冊は無料でさし上げ、その売り上げ2000円を元手にしてもらいます。 |
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創始者であるジョン・バード氏は、日本での創刊を快諾してくれました。「日本人は働きたいという意思を強くもっているから、うまくいくんじゃないか」と。イギリスはキリスト教に基づいたチャリティー精神があるので、いわゆる「物乞い」に対して小銭を入れてあげるという人がたくさんいます。だから「お金をくれる人がいるのに、なんで働かなくちゃいけないんだ」と言う人もいて、「働いて誇りを取り戻すんだ」と強調しなければいけなかったそうです。 |
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販売員の一人当たりの平均の売り上げは、1日に25冊から30冊です。3000円程度が手元に入るので、その日暮らしはできますが貯金までは難しい。35冊から40冊ぐらいを売れたら1日に1000円ほど貯金ができ、8ヶ月蓄えればアパートの敷金分になります。住所がもてれば、本格的な就職活動ができます。『ビッグイシュー』は恒久的な仕事ではなく、“踏み台”なのです。ただ、街頭で販売する姿を見て、「あんなに一所懸命売っているのなら」とお客さんが仕事を紹介してくれたというケースもあります。街頭で自ら就職活動をしているとも言えます。 |
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今までに約400人の方が販売員の登録をされました。創刊以来、実売数は約205万冊となり、販売員の方に2億2550万円の収入をもたらしました。ところが毎年の決算では約1千万円の赤字を出しています。なかなか厳しい状況です。 |