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  • 2018年度 人権NPO協働助成事業


中間報告・交流会10.1~後半に向けて~

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 2018年度人権NPO協働助成事業の中間報告・交流会を10月1日、HRCビルで開催しました。

 助成している4団体から7人が参加され、4月から取り組む事業の進捗状況や、これからに向けた課題などご報告いただき、質疑や意見交換などで交流しました。また、この事業の推進委員である佐々木妙月さん(情報の輪サービス)、田村太郎さん(ダイバーシティ研究所)にもご出席いただき、後半に向けてのアドバイスをいただきました。



報告①

NPO法人CAPセンター・JAPAN

「幼少期から育む人権意識-子育ち支援事業-」


 おとなたちが子どもの視点に立って、成長・発達を捉え、子どもの人権意識を育てることを子育ての軸にすえるという考え方を普及させることを目的に取り組んでいる。


これまでの取り組み

 講座に向けて、幼い子どもと親の支援事業をしている事業者からヒヤリングを実施。その内容をもとに、ロジックモデルを作成し、講座等の準備を進めた。

 子育てひろばに参加している方を対象に、「おかあさんのための子どもとの交流安全教室」を開催。親子同室での実施は初めての試み。子どもの視点や感じ方を学び、子どもへの対応について考え直していただく良い機会になったことが参加者の感想から伺えた。


今後に向けて

 計画している講座を継続実施していく。また場所を企業にかえて、これまでの講座を実施していきたいと考えている。つながりの企業で働いている親を対象に実施できるように働きかけていきたい。講座企画で培ったノウハウや教室参加者からの意見をふまえて、これからの講座内容を検討していきたい。



報告②      

シングルマザーのつながるネット まえむきIPPO

「プレシングルマザーがまえむきに未来を見られるグッズづくりと支援者啓発事業」


 シングルマザーを取り巻く課題が複合的に絡み合うなか、課題解決にはトータル的なサポートが必要である。様々な各分野の専門団体とネットワークをつくり、サポートができる仕組みづくりに取り組んでいる。


これまでの取り組み

 シングルマザー支援に必要なことや課題、問題点などを共有するためにミーティングを重ねた。最近、課題になっていることをテーマ設定し、シングルマザーを取り巻く課題や支援のあり方について考え、参加者同士をつなぐ場となるような学習会や交流会を企画した。テーマとして「全国ひとり親世帯等調査結果報告~ひとり親がかかえる最新課題とは~」、「面会交流の理想と現実から面会交流サポートから見えてきたこと~」、「外国人シングルマザーの困難~さまざまな事例から学ぶ~」の3つの課題でテーマを設定。すでに実施した学習会・交流会では、貴重な学習機会になるとともに、意見交換で交流を深めることができた。

 シングルマザーを応援するためのグッズづくりに取り組んでいる。新しい人生を前向きに生きてほしいという思いを込めてグッズに「IPPOさん福袋」と名付けた。企業や支援団体などから協力を得ながらイベント等での配布に向けた準備を進めている。


今後に向けて

 「IPPOさん福袋」の配布を通して、当事者の気持ちが前向きになれるように、適切な情報や応援メッセージを伝えていきたいと考えている。また学習会の実施を継続して行っていく。



報告③

3地区まちづくり合同会社AKYインクルーシブコミュニティ研究所

「公営住宅に居住する高齢者を対象とした生活サポートシステムの構築」


 市営住宅に住む単身高齢者が抱える課題を解決するため、地域の若者の人材育成と高齢者との世代間交流ができる仕組みづくりに取り組んでいる。


これまでの取り組み

 自力で網戸の修繕・交換をすることが困難な高齢者等に対し、地域の若者が担い手となり、高齢者との関係性を再構築しながら、若者の人材育成を目的として網戸張り替えイベントを実施。また高齢者の課題を共有し、ニーズを把握するためにワークショップ形式の座談会を実施。個別での案内や自治会から呼びかけてもらうなどしていたが、開始時間になっても参加者は集まらない。しかし直前に高齢者同士が参加を呼びかけ、徐々に参加者が集まりだして、つながりの強さを実感した。さらには地元の福祉会や社会福祉協議会の職員、大学教員や大学生からの参加もあり、交流の場になるとともに高齢者の困りごとやニーズなどを伺うことができた。


今後に向けて

 年末に高齢者向けの粗大ごみ収集イベントを予定している。また先進事例の視察として、自治会中心の高齢者向け事業や高齢者の見守りや居場所づくりに取り組むNPOなどを予定している。これまでの取り組みで把握した多様なニーズをどのように解決していくのか、今後予定している視察やイベント等を通して考えていきたい。



報告④

 NPO法人ウィークタイ

「ひきこもり」当事者の多様な居場所・自助会展開事業


 「ひきこもり」当事者の多くが社会復帰後も不安定な生活を送る中、少しでも安定した社会生活を送れるような居場所づくりや、「ひきこもり」当事者活動の担い手を育成することを目的に取り組んでいる。


これまでの取り組み

 多様な場所でつながる「いろいろ集会」-マンガ・ダイアローグ・プロジェクト-を開催。マンガを入り口にそれぞれが意見を出し合いながら共感し、人生や生きる意味について考えることができる場として実施している。ひきこもり当事者やその支援者だけでなく、関心のある方や関係者など様々な立場の方が参加できるイベントとして「とよなかリレーションフェスタ」を開催。ワークショップでは、気持ちよくなるくらいほめてもらう「ほめられ対話」、ニーチェの入門書を踊りながら読む「踊る読書会」、お酒との付き合い方を学ぶ「アルコール勉強会」など、様々な企画を通して参加者同士交流を深めることができた。


今後に向けて

 居場所を運営していく上で必要なスキルや知識についてワークショップを通して学べる担い手を養成するためのイベントや、担い手が集まるトークショーなどを予定している。また意識的な部分を学んでもらうようなイベントも企画している。

 見えてきた課題としては、「ひきこもり」当事者を探すことが難しいなかで、どのようにすれば当事者に必要な情報を届けられるのか。今後、イベントなどの周知や広報をしていく上でこれからの課題にもなっている。



<全体をとおして意見交換会>

※広報を効果的なものにするには、何を目的としているのか考えてデザインする必要がある。対象は誰か。どのように行動を起こしてほしいのか。それを促すためにどうしていくのか。広報の効果として、情報を知らせる以外に、当事者が情報を知ることで安心感を得られる承認効果や、当事者の存在を周囲に知ってもらうアナウンス効果があり、それをふまえた上で、デザインすることで効果的な広報になるだろう。

※ネットワークとは本来、共通の目的がありそのために集まることであって、それを作ること自体が目的化してしまっていることが多くある。協働していくために、具体的な作業で集まることがまさにネットワークである。

※ネットワーク上で、様々な人とつながっている核となる人に情報が渡ることが肝心である。

※大阪府人権協会が持つネットワークを活かすことで、情報を届けていくことができるのではないか。

推進委員からの助言や、それぞれの団体から感想などが述べられました。




<告 知>

★実践報告・交流会のお知らせ★

2019年3月18日(月)14時~17時 HRCビルで開催予定です。

詳しくは、日が近づいてきましたらホームページでご案内します。

2018年度人権NPO助成団体から課題解決に取り組んだ報告や意見交換など、交流する場となっていますので、ぜひご参加ください。