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人権のコミュニティづくり事例報告・交流会

 報告

 平成29(2017)年2月10日、人権尊重のコミュニティづくりの活動が進み、根付いていく仕組みやポイントについて考える、「人権のコミュニティづくり事例報告・交流会」をHRCビルで開催しました。

 人権、福祉、教育等を担当する行政関係者や地域で福祉や人権問題に取り組む民間団体や大学生など、42人が参加しました。

 プログラムの構成は、第1部「事例報告とディスカッション」として、事例団体等からのご報告いただき、その後のディスカッションでは取組の共通点や相違点などをお話いただき、地域で人権のコミュニティづくりが起こり、根付いていくポイントを探っていきました。

 また、第2部分散会で事例ごとに小グループに分かれ、内容を更に深めていきました。

第1部「事例報告とディスカッション」人権のコミュニティづくり事例報告・交流会 画像.jpg

■報告

①コミュニティづくりをめざした自主防災活動(高槻市東五百住さつき自主防災会)

②障がい者や外国人と共に取り組む避難訓練・防災訓練(八尾市高美南小学校区まちづくり協議会)

③認知症カフェとコミュニティづくり(岸和田市チャムール)

■コーディネーター、助言

コーディネーター 玉置好徳さん(梅花女子大学文化表現学部 情報メディア学科)

助言 郭理恵さん(大阪人間科学大学人間科学部社会福祉学科)

    寺川政司さん(近畿大学建築学部建築学科)

第1部での報告では、取組が進むポイントとして、次のような内容が出されました。 

●行政の支援(コミュニティ推進を担う職員や交付金など)があることです。

●活動へ参加すると何らかの「お土産(おやつ、防災備品、相談ができて助言を受けられる)」があることは、参加度を上げる仕掛けとして有効です。

●活動に「食」の要素を組み込むことは、参加の動機付けとして有効です(防災訓練の炊き出し、もちつき大会など)。

●活動のミッションが明確であることが、活動内容の明確化につながり、ボランティアなど協力者が集まりやすいです。

●人や組織など社会資源をつなげていくコーディネーターがいることで、活動が広がり、かつ深まっていきやすいです。

●自分たちだけで取り組もうと思わず、例えば社会福祉協議会の職員などそういったコミュニティワーク技術に長けた外部の人を協力者として巻き込むことでより取組が進んでいきます。

●活動を始めやすく長続きさせるポイントは、何かを新しくつくってから活動を始めるのではなく、いまあるものを活用することで無理せず行えることです。

例)土曜開催のチャムールの会場は、土曜は使っていないデイサービスの部屋を使う。

東五百住さつき自主防災会のバケツリレーの練習は地域清掃と時に一緒に行う。また、子ども防災の取組は地蔵盆と一緒にやるなど。


第2部分散会

 報告別に3グループになり、各報告者から更に詳しい取組の様子をお聞きするだけでなく、参加者の皆さんが取り組まれている事業のご報告をいただきながら、地域でいかに人権尊重のコミュニティづくりの活動を進めていくかについて考えていきました。

 また、全体を通して、助言者やコーディネーターからは、次のような助言をいただきました。

●防災は減災への取組が重要です。

 いざという時の関係は、日常の取組の中で作られていきます。そういった取組の積み重ねが、災害時の被害拡大を減らしいく大きな力となります。今後の防災の取組には、こういった減災のための視点が求められてきます。

●取組に地域づくりと当事者参加の視点を持っていることが重要です。

例えば自治会やNPOなど地域では様々な主体による活動が行われています。その取組に地域作りの視点を入れることにより、活動が自分たちの中だけに留まるのではなく、外部とつながり、取組がより広がっていくきっかけとなります。

また、地域住民や人権上課題のある方など当事者に意見を聞きながら取組を進めていくことが大切となってきます。

●共通項になる課題への取組で、行政や地域での縦割を解消していくことが求められます。

行政だけでなく地域でも今回の報告で課題となった福祉、防災、人権は取り組む組織や部署が違うため、情報共有や協働した取組が不十分です。

例えば、防災といった様々な組織や部署が取り組むべき要素が入っている課題で、組織を横断した取組を行うなど、横の連携を行っていける土壌作りが必要となります。