新着情報

【大阪府委託】

平成27(2015)年度人権のコミュニティづくり

事例報告・交流会 報告



 平成28(2016)年2月8日、人権尊重のコミュニティづくりの活動が進み、根付いていく仕組みやポイントについて考える、「人権のコミュニティづくり事例報告・交流会~誰もが尊重される地域社会づくりのために~」をHRCビルで開催しました。人権、福祉、教育等を担当する行政関係者や地域で福祉や人権問題に取り組む民間団体や大学生など、42人が参加しました。


2015コミュニティ報告・交流会写真.jpg

 事例報告・交流会は、第1部シンポジウム「孤立や排除のないコミュニティづくりのために」と、第2部分散会という構成で行いました。

 また、この報告・交流会では、本事業の検討委員の皆様にも助言者やコーディネーター等の役割を担っていただき、地域で人権が尊重されたコミュニティづくりを進めていく上での助言をいただきました。

 

 第1部シンポジウムでは、まず今年度事例に収集を行った次の4つの事例について各団体からご報告いただきました。各取組の共通点と相違点を浮かび上がらせていく中で、地域で人権のコミュニティづくりが起こり、根付いていくポイントを探っていきました。

第1部の報告内容と報告者は次の通りです。

①買い物弱者をきっかけとした行政とNPOの協働。障がい者の就労支援とも併せた取組

 西上孔雄さん(特定非営利活動法人すまいるセンター代表理事)

 池之内寬一さん(堺市商工労働部副理事兼商業流通課長)

 高橋悦子さん(堺市健康福祉総務課兼高齢施策推進課参事)

②子どもに温かい食と居場所を提供するために有志で始まった取組

 Habikino children's support networkスタッフ

③外国人市民との共生のために、多方面との協働した取組

 山本愛さん(公益財団法人とよなか国際交流協会総括主任)

④"就労"を切り口にした、ひきこもり、ひとり親家庭などへの支援と地域活性化への取組

 佐々木妙月さん(特定非営利活動法人ZUTTO理事、情報の輪サービス株式会社代表取締役)

 助言者には、郭理恵さん(大阪人間科学大学人間科学部社会福祉学科)、寺川政司さん(近畿大学建築学部建築学科)の助言をいただきながら、玉置好徳さん(梅花女子大学文化表現学部情報メディア学科)のコーディネートのもと、進めていきました。


 第1部での報告では、取組が進むポイントとして、次のような内容が出されました。

●単独(団体や事業)では問題解決できなくても、組み合わせることで可能性がみえる。

●顔の見えるネットワークが必要。

●一緒に取り組める仲間がいること。

●やりたいという思いが集まって広がっていく。

●活動を行う理念や哲学の継承が、スタッフ・ボランティアなど事業に関わる全ての人が目的意識を共通で持つことにつながる。

●活動の主体は地域にある。

●行政との協働が必要。

●やりたいことがあれば、とにかく情報発信。

●あれやこれやと頭で考えるより、まずは行動する。


 第2部分散会では、参加者が深めたい報告課題ごとに小グループをつくり、さらに内容を深めていきました。


第1部と第2部を含めて、助言者やコーディネーターからは、次のような助言をいただきました。

●課題解決への道のりは、取り組む事業だけにあるのではない。事業を行うために、ヒト、カネ、モノが集まり、場ができるプロセス、そういったソーシャルアクションのプロセスをどうつくっていくかが重要となる。

●場の持つ意味は、単なる場所だけではない。思いのある人が集まるからこそ、人のつながりや変化を生む「場」になっていく。

●そこの場や取り組む人たちが、熱く、温かいからこそ人が寄ってくる。

●何かの課題解決を行おうとする時、たくさんの情熱がある人が1人だけで取り組んでも中々進まない。共に課題に取り組める仲間が必要。

●何らかの困難を抱えた人を支える時、その当事者が支援を受けるだけでなく、自身がサービスを提供する側になることで、その人が力をつけていくことにつながる。

そういった自ら解決するプロセスを取組の中で起こしていくことが必要。

●テーマは違うが、一緒にできそうなテーマであればアプローチをし、合わせ技でつないでいく。

●そういったヒトやモノや組織の間をつなぐ、アクターが必要。

●制度や既存のはざまの隙間のデザイン、ないものはつくっていくことが必要。