人権とか権利って、言葉にするとすごくいい事のように聞こえるんですけれど私は恐いと思ってるんですね。今まで事件に遭うまでは、なんとなくきれいごとのイメージしかなかったのです。
人権はすごいいい事なんや、とか、権利、そやそや必要やって。
でも、自分が事件に遭ってみると、加害少年は人権、権利って、主張したがるんです。必要以上に言うからおかしいのです。
わたしがいつも思うのは、被害者の権利っていうのがないといけないということ。まだまだ足りないから。
でも被害者の権利が、当事者だけがわかる権利じゃ絶対いけないと思うんです。人権とか権利とか、声を大きくあげれば正しいというものではない。わがままも、権利も分かりにくいですよね。だから恐いんです。
だから私は、被害者の権利が確立しても、それをふりかざしてはいけないと思っています。被害者である前に1人の人として、3人の子どものお母さんとして、人間らしく生きていきたいからなんです。
声を大きくすればそこに引っ張られるけど、内容をしっかりと見つめていかないと、おかしなものがあるんです。
だからちゃんともう一度見つめなおそう、考え直そう、この権利が本当に大事なのか、どこまで言っていいものなのか、正しいのかどうか、そういうことを考えてほしいのです。だから一般の人たちにいつも協力をお願いしているんです。
被害者になって、私が特別扱いをされていたらきっと世の中の事はわからなかっただろうし、あの時、人として「間違っているよ。」と教わったからよかったなあと思いますね。