もう、仮に発病しても療養所には入れんことになってますからね、‘96年からあとは。地域のところで治す、ということで。 だからもし、不幸にして患者さんが出た場合ね、地域の医療施設にかかるでしょ、よけい偏見なんかが起こらんようにと、それはわし、気にしとるけど。 今はしかし、ほとんど発病する人はおらんと言っていいほどの状況にはなってるらしいです。日本ではまあ、7人ぐらいの人が発病している、でもそれは外国から働きにきてる人だけ。日本人では、ほとんどいない、いうような気がするけれど。そんな状況になっとるから日本人としては、いわゆるハンセン病問題は、解決したと言っていいんじゃないかな。 今ある問題は、療養所におる4500人足らずの人たちがどういう風に最期を迎えるかっていうやつかな。 新しい対策については、発病する人たちが今もうほとんどおらんから、大方終わったんじゃないかなと思うけれどもね。 ただその、黒川温泉ホテルとか、ほかにもそういう心に宿っとる偏見ていうのはあるわね。 しかし、我々ハンセン病元患者がおらんようになっても、偏見だけが社会に残るようになっちゃいかんなあと思てんのやけどね。