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人権相談とは

一般財団法人 大阪府人権協会における人権相談の役割と機能

1.府民が「安心」できる相談機関として

 (一財)大阪府人権協会では、府民の専門的な人権相談窓口であることをめざして、さまざまな人権問題について相談者に寄り添いながら、問題や課題を整理し、解決の方向を相談者と一緒に考えていくことで、人権侵害を受けた方の救済・支えの一助となるよう心がけています。
 相談内容としては、部落問題、女性問題、障がい者問題、高齢者問題、子どもの問題、外国人問題、労働問題、医療問題等をはじめ、インターネットによる差別表現等の書き込みや近隣でのトラブル、また、行政機関等の職員や会社・職場での従事者等による心理的に外傷を与える言動、拘置所・刑務所での処遇等の問題など、さまざまな状況での相談が寄せられています。
 また、人権にかかわる相談は、多種多様で単一の相談機関だけで対応することが困難な場合が多いことから、行政機関、公益法人、NPO等のさまざまな相談機関との連携が不可欠であり、「人権相談機関ネットワーク」(2009年2月現在で290機関)と連携し、そのネットワークの力で解決を図る体制整備を進めています。今後、さらにお互いの信頼関係の構築を図るとともに、各機関で保有している情報や解決方策等の蓄積と、共有化を進める必要があると考えています。

2.人権相談・人権侵害事象等の集約分析

 当協会では、人権相談・人権侵害事象等の集約、分析にも取り組んでいます。人権相談や事象を集約し、相談を通じて現れた課題・問題点を整理・分析することで、現行制度の矛盾や対応できない課題などを明らかにするためです。
 そして、明らかになった課題や問題点を社会へ情報発信することで、人権意識の向上や人権行政推進の具体的な施策に反映することができるものと考えています。
 また、当協会の役割として、市町村等が取り組むことが困難な課題に取り組むところに意義があると考えています。例えば、現代社会の急激な進展の中で、さまざまな新しい事象が生じています。なかでもインターネットにおける中傷行為、高齢者介護における家族負担の過大に起因する虐待問題、援護の必要な刑余者の問題など、今まで救済制度が確立されていない事象を把握し、分析・対応を考える機関でもあると考えています。
 そのためにも、市町村等の取り組みや現状等について情報交換し、情報・経験を共有することが重要であり、府内相談機関のネットワークの中心的な役割を果たし、積極的な連携と必要な支援を行っていきたいと考えています。

3.「官と民の協働」の観点で

 人権に関わる課題は多様であり、「行政(官)と民間(民)の協働」の観点で取り組むことが重要です。なぜなら、人権課題の解決には、反差別的・人権の当事者(組織)の声を反映すること、住民・住民団体・NPO等が参加することが不可欠であるからです。
 また、人権課題については専門性が求められますが、行政機関では人権課題の研究や取り組みにおける事業の継続性が困難な面も見られます。また、地方公共団体自身が、権力的な要素を含む行政機関であり、ある意味で人権侵害の問題を起こす可能性が全くないとは否定できません。
 そういう意味からも、民間(民)の力との協働で進めていく必要があると思います。