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【大阪府委託】令和2(2020)年度

 「相談事例研究会」を開催しました

 

 人権相談機関ネットワーク加盟機関の相談員等の皆さんが、相談スキルの向上と、加盟機関同士の交流・連携を図る場として、「相談事例研究会」を開催しました。

 今年度は大阪府内4つの会場で、合計83名の方にご参加いただき、実際の相談事例を題材に、適切な対応方法等を検討・学習しました。


 なお、今年度は、新型コロナウイルス感染症対策として、間隔を空けて座ることができる広さの会場を設定し、換気や会場の消毒などを徹底しました。また、参加者の皆さんにも、マスクの着用、検温、手指の消毒など、感染予防の取り組みにご協力をいただきました。



■開催日時・場所

  • 第1回 9月1日(火)13:30~17:00 岸和田市立春木市民センター
  • 第2回 9月8日(火)13:30~17:00 茨木市立豊川いのち・愛・ゆめセンター
  • 第3回 9月11日(金)13:30~17:00  藤井寺市役所
  • 第4回 9月16日(水)13:30~17:00 大東市立野崎人権文化センター

 
     

■内 容

.講義「オープンダイアローグを用いた相談援助について」および「事例検討の方法」

 
講師: 潮谷光人さん(東大阪大学こども学部准教授)

講義要旨

・精神医療の分野で導入されてきたオープンダイアローグの手法は、様々な相談・援助の分野にも援用することが出来る。

・オープンダイアローグにおいては、複数の専門職チームで対応し、クライエントの語りと、周囲との対話を基本とする。

・オープンダイアローグを用いたミーティングでは、専門職同士がクライエントについて意見交換する場面を本人にみせるリフレクティングの手法によって、問題が客観化され、共感につながる。

・クライエントへの情報提供や、支援の方向性の提案、ストレングスや援助者側の思いを伝達する際もリフレクティングを通じて行う。

・必ずしも難しい技術を必要とせず、「傾聴・共感・応答」を繰り返し、対話を重ねることを重視する。



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.相談事例の報告 

各相談機関から相談事例を報告していただきました。

(※各事例の概要は下記よりPDF・Wordファイルをダウンロードできます)

事例① 自身の性的指向や性自認のことに悩む人の相談・支援
【PDF】
 【Word】

事例② 知的障がいのある子どもから暴力を振るわれるという高齢者の相談・支援
【PDF】 【Word】

事例③ 長期間にわたり無職の状態が続いていた人の社会復帰に向けた相談・支援
【PDF】 【Word】

事例④ 同居する男性によるDVから逃げたいという障がいのある女性の相談・支援
【PDF】 【Word】



.グループワーク  

 いくつかのグループに分かれて、2.で報告された相談事例をもとにグループワークを行いました。

 相談者が意思決定する過程や相談者のストレングスを重視しながら、状況や課題を整理し、対応や支援のあり方を話し合って参加者で確認・共有しました。


.まとめと助言 

 3.のグループワークの結果を各グループから発表し、その内容を参加者全体で共有しました。併せて、講師よりアドバイスや情報提供をしていただきました。



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■参加者の感想(アンケートより)

・グループワークで事例検討の時間をたくさん取っていただき、良かったです。同じ班の方と議論を深め、様々な意見を聞けて勉強になりました。

・グループ内で参加者が持っている資源が異なっており、色々な意見を聞くことができた。

・ふだん受けている相談と重なる部分の多い事例でした。今後の仕事、現場で活かせるように努めていきたいです。

・人権擁護士の方の進行がスムーズだった。