新着情報

2019年度人権NPO協働助成事業

「実践報告・交流会」を開催しました。



人権NPO協働助成事業「実践報告・交流会」を3月24日、HRCビルで開催しました。例年、人権に取り組むNPOや行政等も参加し、交流を兼ねた報告会として実施していますが、今回は新型コロナウイルス感染対策をとり、今年度助成団体のみでの実施としました。


助成団体から、1年間の事業成果(効果)や見えてきた課題等をご報告いただいた後、質問を交わしたり、情報交換をしたりしながら交流しました。


最後に、ゲストスピーカーとして出席いただいた田村太郎さん(ダイバーシティ研究所)と佐々木妙月さん(情報の輪サービス)から、報告を受けての意見や、今後に向けてのアドバイス等をいただきました。

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「学習者の生活や思いに根差し、人生をきりひらく識字学習教材づくり」

~大阪の識字・日本語教室のこれまで・いま・これからをつなぐ~

大阪市内識字・日本語教室連絡会


<課題・目標>

近年、大阪府内の識字・日本語学習を支援する教室同士のつながりが弱くなっている。識字・日本語教室で使われる教材の多くは、試験対策用や留学生向けの教材で、学習者一人ひとりに合った教材が用いられていない現状がある。

長年、識字・日本語教室で大切にされてきた学習者に応じた教材を作る取り組みを通じて、教室同士のネットワークを強め、さらに広げていくことを目標に取り組んだ。


<1年間の取り組み>

教室同士のネットワークを強化することを目的に交流会を開催。参加者同士、教室同士がつながりを持つと共に、そのつながりを強め、さらに広げることができた。

学習会では、「教材」の意味をみんなで学習し、共通認識を持つと共に、教材となる学習活動を集めることができた。


交流会や学習会で集積した学習活動や活動事例を掲載したブックレットを作成することができた。


<今後に向けて>

ブックレットを活用した学習会を実施し、関係諸団体とも連携を強めながら取り組みを進めていきたい。ブックレットを広く知ってもらい、その内容を広げ、充実していくために、運営の工夫を考えていきたい。

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「官民一体型における食支援で社会的課題の解決に取り組むふーどばんく活動」

特定非営利活動法人ふーどばんくOSAKA


<課題・目標>

家庭から出る食品ロス問題は、環境破壊・汚染につながっていることはまだまだ知られていない。これらの情報を周知していく取り組みやフードドライブ活動を行うと共に、地域の支援団体や企業、自治体と連携し、捨てられるかもしれない食品を必要とする人に届けることで、フードパントリー活動(個別支援活動)に取り組んだ。


<1年間の取り組み>

家庭で出た食品を持ち寄り、必要なところへ届けるフードドライブ活動に取り組んだ。食品ロス問題を周知すると共に、行政や支援団体と連携しながら取り組みを進めることができた。


フードパントリー活動(個別支援活動)では、集めた食材が子ども食堂につなげることができた。また支援団体と連携し、生活困窮者に方々に食の支援を行い、自立支援に貢献することができた。


コロナ禍で、子ども食堂やその親を支援する地域支援団体に対して、子どもを支援したい企業や地域に貢献したい企業等と連携して、地域と企業をつなげることができた。

地域では、新聞屋さんが学習塾と子ども食堂をセットで取り組む動きもあり、取り組みが広がっていることが分かった。


<今後に向けて>

今後も引き続き、食品ロスをなくすために企業に積極的にアプローチして社会貢献に取り組んでいきたい。フードバンクが緊急で対応しなければならない問題や、中長期を見据えた支援活動を今後の課題として検討しながら、取り組んでいきたい。


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ドラァグクイーンによる絵本の読み聞かせ事業

DragQueenStoryHour in 大阪実行委員会


<課題・目標>

性的マイノリティを取り巻く課題として、家族の理解が得られにくいことがあげられる。

社会で「LGBT」や「セクシュアルマイノリティ」が認知されはじめ、一定の理解は広まってきたと言える一方、身近な実感としてはまだ理解されていないと感じている。


セクシュアルマイノリティの問題は表面化しにくく、当事者が孤立しやすい問題。親子向けの絵本の読み聞かせを通して、幼少期から多様な性のあり方を肯定的に受け入れることができるように取り組んだ。


<1年間の取り組み>

事業モデルのDrag Queen Story Hourは、アメリカのLGBTコミュニティで生まれた、図書館や児童センター等で読み聞かせを行う子ども向けのプログラム。企画を進めるために東京へ視察に行った。舞台に立つドラァグクイーンと打ち合わせる中で、普段のパフォーマンスで魅力が子どもに伝わるように企画を進めた。


イベントを「peek a queen」と名付け、読み聞かせ会を実施した。2回実施して大人、子ども合わせて100人以上の参加があり、0歳から11歳までの子どもが参加した。アンケート結果から参加者の8割が満足していると回答があり、子どもたちが性を考えるためのきっかけづくりができたと思っている。


<今後に向けて>

今回は助成金の活用により、子どもの参加費を無料にすることで参加しやすい状況を作ることができた。今後、取り組みを継続的に開催していくために出演者や会場費をどのように捻出していくか、その仕組みづくりが課題である。


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「日本語学習と教科補習を通じた双方向&多様な学び支援事業」

箕面市学生活動連携会議(MGK24)


<課題・目標>

箕面市西地域は、外国人市民が日本語を学習する機会がない状況にある。外国人市民が日本語コミュニケーションや日本の社会・文化を学び、アイデンティティを育めるように学習支援に取り組んだ。


<1年間の取り組み>

学習者が自己実現に向けたエンパワメントができ、TA(多様な)MA(学びを)SA(サポート)することができる場所として「みのおTAMASA」と名付けた。開講に向けて、運営スタッフを募集。スタッフ向けに日本語指導・多文化共生ボランティア養成講座を実施し、活動理念を共有した。

学習者の募集は、TwitterやFacebook、チラシで進めた。


7月、4人の学習者を迎え入れ開講した。学習者ごとに学習目標を立てる中で、一人ひとりに合わせた教材の必要性を感じた。日本語教材に関する情報を収集し、みんなで情報共有できるようにした。また月一回、気軽に学習者とお話しできるイベント「異文化交流会」を開催した。学習者と学習パートナーが相互に信頼しあい、居場所として定着させることができた。


<今後に向けて>

学習者を支援していく上で、スタッフ同士の連携がうまくいかないことがあったので、その仕組みを考えていきたい。運営を続けていくための財源確保を課題として、今後も引き続き取り組んでいきたい。


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IMG_8404.JPG<ゲストスピーカーから今後に向けて>

ゲストスピーカーの田村太郎さん(ダイバーシティ研究所)、佐々木妙月さん(情報の輪サービス)からは、実践報告を受けて、これからの取り組みに向けた助言をいただきました。


・事業を進める上で、取り組みにネーミングすることは大事だと感じた。

・今後の課題の一つに資金面を言われていたが、取り組みによってはクラウドファンディングという方法もあるので検討されればと思う。

・課題を絞ることの必要性を伝えたが、広がってしまった。対象を絞ることは排除することではない。絞ることで前に進めることができる。

・1年間で取り組めることは限られている。小さな一つのことでいいので、取り組みによって何が変わったのか、どんなインパクトがあったのか、次はここと連携したいといった報告が聞ければと思う。

・コロナで世の中がすっかり変わってしまった。普段から地域で人権課題に取り組んでいる私たちの力量が試される時が来ると思う。1年の活動で発見されたことをブラッシュアップして、次のステップに進んでほしいと思う。

・助成期間は終わるが、こういう課題があるからこういうことをしたいということで、人権協会を通じて、様々なところとつながりを深めてほしい。


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○2019年度人権NPO協働助成金の募集案内

  (http://www.jinken-osaka.jp/2019/01/2019npo.html)

○2019年度人権NPO協働助成金の助成事業が決定しました。
  (http://www.jinken-osaka.jp/2019/03/2019npo_1.html

○協働事業で成果を上げるために...事業説明会を開催しました。

  (http://www.jinken-osaka.jp/2019/04/npo_10.html

○後半に向けて...中間報告・交流会を開催しました。

  (http://www.jinken-osaka.jp/2020/03/2019npo_4.html

○2019年度人権NPO協働助成事業報告書

  (http://www.jinken-osaka.jp/2020/08/2019npo_5.html


DragQueenStoryHour in大阪実行委員会

①「ドラァグクイーンによる絵本の読み聞かせ事業

②「絵本の読み聞かせ活動の会場候補が決まりました。」

③「関西発!ドラァグクイーンによる絵本の読み聞かせ会

④「ドラァグクイーンによる絵本の読み聞かせ会「Peek a Queen」開催報告


◆大阪市内識字・日本語教室連絡会

①「持ち寄りワークショップ"教材"ってなに?」

②「事務局会議を開催しました。(5月)

③「事務局会議を開催しました。(6月)

④「第8回大阪市内識字・日本語教室連絡会全体会を開催しました。

⑤「第1回持ち帰り教材ワークショップ(学習会)

⑥「ワークショップの振り返りを行いました。

⑦「この間の振り返りと今後の取り組みについて検討しました。」

⑧「学習会「持ち寄りワークショップ」とポスト講座の報告


箕面市学生活動連携会議(MGK24)

①「日本語学習と教科補修を通じた双方向&多様な学び支援事業

②「みのおTAMASA参加者(ゲスト学習者)の募集を開始しました。

③「みのおTAMASAゲスト学習者とともに

④「みのおTAMASA10月~11月の取り組み報告


ふーどばんくOSAKA

①「官民一体型による食支援で社会的課題の解決に取り組むふーどばんくOSAKA

②「ふーどばんく活動5月、6月の取り組み報告

③「ふーどばんく活動7月の取り組み報告

「ふーどばんく活動8月からの取り組み報告」


この人権NPO協働助成事業は、人権に取り組むNPO等を応援するために、大阪府人権協会の事業収益の一部を活用して自主事業として取り組んでおります。

より充実した内容へと発展させるために、皆様のあたたかいご支援・ご協力よろしくお願いいたします。