【大阪府委託】令和元(2019)年度
「相談事例研究会」を開催しました
人権相談機関ネットワーク加盟機関の相談員等の皆さんが、相談スキルの向上と、加盟機関同士の交流・連携を図る場として、「相談事例研究会」を開催しました。
今年度は大阪府内の4つの会場で、合計75人の方にご参加いただき、実際の相談事例を題材に、適切な対応方法等を検討・学習しました。
■開催日時・場所
- 第1回 9月2日(月)13:30~17:00 藤井寺市役所
- 第2回 9月3日(火)13:30~17:00 茨木市立豊川いのち・愛・ゆめセンター
- 第3回 9月10日(火)13:30~17:00 門真市役所
- 第4回 9月17日(火)13:30~17:00 忠岡町役場
■内 容
1.講義「意思決定支援と相談対応」および「事例検討の方法」
講師: 潮谷光人さん(東大阪大学こども学部准教授)
○講義要旨
・相談や支援においては、相談者の自己決定に基づいて進められることが原則であるが、現場の相談・支援の担当者がこの原則を徹底させることは容易ではない。
・そのため、意思決定支援においては、相談者の意思が尊重されるよう支援したり、相談者の最善の利益が検討され判断されたりする体制や枠組みが重要である。
・相談・支援の担当者には、相談者が自身の状況や支援の方向性について理解し、意思を示せるような関わり方が必要とされる。
・意思決定支援に際しては、相談者が自己の力や強み(ストレングス)が持つ可能性を認識していることが重要であり、相談・支援の担当者には、ストレングスを引き出すアプローチが求められる。
・意思決定支援は相談者と相談・支援の担当者の双方をエンパワメントする過程である。
2.相談事例の報告
各相談機関から相談事例を報告していただきました。
(※各事例の概要は下記よりPDF・Wordファイルをダウンロードできます)
【事例① 精神的・経済的なDVの被害を受けている女性の相談・支援(PDF)】
【事例① 精神的・経済的なDVの被害を受けている女性の相談・支援(Word)】
【事例② 生活困窮状態にある父子家庭の相談・支援(PDF)】
【事例② 生活困窮状態にある父子家庭の相談・支援(Word)】
【事例③ 引きこもり状態が続いた男性の自立生活に向けた相談・支援(PDF)】
【事例③ 引きこもり状態が続いた男性の自立生活に向けた相談・支援(Word)】
【事例④ 親から虐待を受けている交際相手を助けたいという人の相談・支援(PDF)】
【事例④ 親から虐待を受けている交際相手を助けたいという人の相談・支援(Word)】
3.グループワーク
いくつかのグループに分かれて、2.で報告された相談事例をもとにグループワークを行いました。相談者の意思決定過程やストレングスを重視しながら、状況や課題を整理し、対応や支援のあり方を話し合って参加者で確認・共有しました。
4.まとめと助言
3.のグループワークの結果を各グループから発表し、その内容を参加者全体で共有しました。併せて、講師よりアドバイスや情報提供をしていただきました。
■参加者の感想(アンケートより)
・講義やグループワークなど、様々な形式で学ぶことができ、とても参考になりました。今後の相談活動で大いに役立つと思います。
・限られた時間でしたが、色々な機関の方々と活発に意見の交換ができて、とても有意義でした。
・具体的な事例を検討したことで、理解できたことが多かった。今後に活かしていきたいと思う。
・人権擁護士の方のアドバイスにより、グループワークでの議論が深まりました。