新着情報

2019年度 人権NPO協働助成事業

中間報告・交流会を開催しました。



 2019年度人権NPO協働助成事業の中間報告・交流会を10月3日、HRCビルで開催しました。

 大阪府人権協会と協働しながら人権問題の解決に取り組む4団体から、取組の進捗状況や取り組みを進めていく中での課題、成果などについて報告をいただきました。

 報告後には、情報共有や意見交換をする中で交流を深めました。最後に、当事業の推進委員である佐々木妙月さん((株)情報の輪サービス)と、田村太郎さん((一財)ダイバーシティ研究所)から、今後に向けたアドバイスをいただきました。


報告①

日本語学習と教科補習を通じた双方向&多様な学び支援事業

箕面市学生活動連携会議(MGK24)

◆取り組み報告

 箕面西地域において、外国人市民の多様な学びをサポートするため、みのおTAMASAをスタートさせた。みのおTAMASAとは、外国人市民がより豊かな生活が送れるようになることを目標にした取り組みである。参加される方に、個別に目標を設定し、エンパワーメント実現に向けた学習支援の取り組みを進めている。


◆今後に向けて

 みのおTAMASA支援者がお互いに連携を取り合いながら、効果的な学習支援を進めていきたい。

 学習者の学びが、みのおTAMASAだけで終わることなく、これをきっかけに更に学びを深めてほしいと考えている。多様な意見を取り入れながら学習者と支援者が共に成長していけるように取り組んでいきたい。


報告②

学習者の生活や思いに根ざし、人生をきりひらく識字学習教材づくり

~大阪の識字・日本語教室のこれまで・いま・これからをつなぐ~

大阪市内識字・日本語教室連絡会

◆取り組み報告

 大阪市内識字・日本語教室連絡会は、教室コーディネーターや学習パートナー、学習者などが集まり、識字・日本語に関する啓発活動やその時々の人権課題に取り組んでいる。

 学習者の生活や思いに根ざした識字学習教材づくりに向け、学習会を実施する中で、教室活動そのものが「教材」であることを共有化したり、様々な地域の学習活動について学ぶ機会を持ったりすることができた。新たな気づきが生まれるとともに、地域ごとの特色を持った学習活動を学ぶよい機会になった。


◆今後に向けて

 「教材」づくりをテーマに、地域の学習活動を蓄積していくとともに、識字・日本語教室と実践交流を深めながらネットワークづくりを広げていきたい。

報告③

官民一体型による食支援で社会的課題の解決に取り組むふーどばんく活動

NPO法人ふーどばんくOSAKA

◆取り組み報告

 家庭等で食べられるのに捨てられてしまう食品を無償で提供してもらい、食の支援を必要とする施設や団体、個人に無償で提供する活動に取り組んでいる。

 行政や企業等と連携しながら、フードドライブ活動やフードパントリー活動(個別支援活動)を実施し、子ども食堂や福祉施設、支援団体等へ食品を提供している。

 食品ロス、貧困問題に対する啓発やフードドライブ活動の認知度の向上に向けて、取り組みを進めている。


◆今後に向けて

 引き続き、行政や民間団体等と連携しながら、フードドライブ活動に取り組むとともに環境問題について考える学習会を実施する予定である。

 食品ロス、貧困問題に対する啓発により、食品ロス意識を広げていきたい。またフードドライブ活動やフードパントリー活動により、食の支援を進めていきたいと考えている。


報告④

ドラァグクイーンによる絵本の読み聞かせ事業

DragQueenStoryHour in 大阪実行委員会

◆取り組み報告

 子どもたちがジェンダーやセクシャリティに対する既成概念にとらわれることなく、ドラァグクイーンと出会うことで感受性や独創性を養う機会を提供したいと考えている。

 関西初となるこの取り組みを実施するにあたり、まずは先進的に取り組んでいる東京でのイベントを視察し、事業のイメージを固めてきた。企画内容を検討する中で、ドラァグクイーンのアイデンティティを尊重しながら、イベント準備を進めた。一般的には親子イベントであるが、一般にも参加枠を設け、マジョリティにも参加してもらうことで、反応の違いから何かを感じ取ってもらいたいと考えている。


◆今後に向けて

 まずは、第一回目のイベントの成功に向けて準備を進めていきたい。

 イベントを通して、普段からドラァグクイーンに慣れ親しんだ方と一緒に楽しんでもらいながら、何かを感じてもらえるような空間づくりをしていきたいと考えている。


<意見交流、委員からの助言>

報告後には、団体同士の意見交流や質疑などで交流を深めました。

委員からは、それぞれの取り組みに対しアドバイスをされ、最後に全体を通して以下のアドバイスをされました。

・学習会や研修会など取り組み内容を数値化することで、よりイメージや効果が伝わるのではないか。

・対象の設定、目標の設定が広くなってきているので、もう一度絞り直してみてはどうか。誰のどんな人権課題に焦点をあてて、より良くしていくのか、設計を考え直してみてもよいのではないか。