新着情報

2015年度 大阪府自殺対策強化事業

2015年度 大阪府人権協会

「子ども・若者支援 自殺防止サポーター養成講座」を開催しました。



 3月15日(火)と3月25日(金)の2日にわたって『子ども・若者支援 自殺防止サポーター養成講座』を開催しました。

 各講座60人近くの方のご参加がありました。

 1998年から自殺者が3万人をこえ、大きな社会問題となっていましたが、内閣府が自殺対策緊急強化基金を創設するなどして、自治体も自殺対策事業に取り組んだことが功を奏したのか、2012年には3万人を下回り2015年は2万3971人となって、4年連続で3万人を下回りました。しかし、若年層の自殺者の減少が少なく、国を挙げて若者の自殺予防対策に力をいれています。そこで今年度は当協会も『子ども・若者支援 自殺防止サポーター養成講座』と名うって、日頃子どもや若者の自殺予防の活動をされている方や自殺防止の専門相談を受けてられる講師をお招きし、講座を開催しました。


【講座内容】


①3月15日(火)10時から12時 「子どもの自殺念慮」(子どもが自殺を考えるとき)

 sakanaka.JPG講師:四天王寺学園小・中学校カウンセラー、臨床心理士 阪中順子さん

 自分の『プチハッピー』、『いのち』をイメージするとどんな色?を参加者同士が言い合い、聞きあうワークや子どもに言いがちな「①お説教」「②元気づけ、勇気づける」言葉かけと「③気持ちを受けとめる」3つのパターンの言葉を親役、子ども役、観察者になって言ってみるロールプレイを行いました。 それぞれがそれぞれの役割を取ってみて、言う方(親や大人)は元気づける勇気づけることで自分が良い気持ちになっているだけなんだ。言われた側(子ども)はこの人に話しても受け止めてもらえないという感覚が分かりました。また観察者になって、客観的に観ていると受け止めてもらう言葉をかけられた時には下を向いていた人が話す人の顔をちゃんと見て話すようになった等 やってみて初めて分かったというコメントがありました。(68人参加)



②3月15日(火)13時から15時 「身近な人を自死で亡くした子ども達」(子どものグリーフケア)

 講師:公立大学法人 福島県立医科大学 看護学部 家族看護学部門 佐藤 利憲 さん


sato.JPG 自身が活動されている、NPO法人子どもグリーフサポートステーションで、大切な人を亡くした子ども達の様子を紹介され、特に自死で身近な人を亡くした子どもが抱く感情を話されました。

ケアではなくサポートの必要性、子どもの支援で大切なこと等をお話しいただきました。個人の価値観や基準を押し付けないことを実践的に理解できるよう、子ども役をして絵を描き、その絵を見て大人役がコメントを言うロールプレイを行いました。大人はついつい見たものを自分の判断であれこれ言いたくなると気づきがたくさんありました。(67人参加)



③3月25日(金)10時半から12時  「自殺の実態・自殺について」(自殺の実態)

講師:人財科学研究所 代表(前宮崎自殺防止センター所長)工藤 智徳 さん 


kudo.JPG

 宮崎自殺防止センターでの活動を通して、自殺の実態について相談業務(電話)で見えてくるものを紹介されました。身近な人の自殺のサインに気づき適切な専門窓口へつなぐために、心に寄り添いながら話を聴くことについてお話しいただきました。

(61人参加)



④3月25日(金)13時から14時半 「自傷行為について」(自傷行為をする若者達)

 講師:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所

     薬物依存研究部 部長 自殺予防総合対策センター 副センター長

     松本俊彦 さん


matumoto.JPG 自傷行為(リストカット)をする若者に対しての治療を通して、リストカットをしなければ生き延びられない状況に置かれた心理状態をお話しされました。

10代の人の1割は自傷行為の経験がある。

 リストカットは周囲へのアピールのためにすると思われがちだが、不快感情(辛さ)の軽減のために行う事の方が多い。まず、自傷行為(リストカット)をしたことを話したなら、「よく話してくれたね」とねぎらう言葉かけの大切さ等の話がありました。今年度で自殺対策から離れるので、今日が自殺防止のために話をするのは最後とのことでした。(70人参加)



⑤3月25日(金)14時40分から16時10分 「死にたいと相談されたら」(演習)

講師:人財科学研究所 代表(前宮崎自殺防止センター所長)工藤 智徳 さん

ro-ru.JPGのサムネイル画像 話しの聴き方『リフレクション』の体験をしました。

三人1組になって 話す人、話を聴く人、観察者になって二番目に楽しかったことを話し、受け止めてもらうこと『リフレクション』(相手にとって意味のある言葉や相手が大切にしている言葉をそのまま相手が使った言葉を返す)を実際に体験しました。その後「消えてしまいたい」と言われたら自分ならどのように応答するか?自分なりにやってみるロールプレイを行いました。(58人参加)




〇終了後全コマ参加者43人の方に修了書をお渡しました。