2015年度 人権NPO協働助成事業 とりくみほうこく 1月
よっしゃ ! ほっとかへんで
~地域の子ども個別支援準備事業~
団体名 NPO法人西淀川子どもセンター(http://nishiyodogawakodomocenter.web.fc2.com/)
「当たり前の生活を子どもたちに伝える大切さ
~行政・NPO・地域が協働していくこと~」
「地域における子ども支援~行政との協働体制をめざすために~」
日 時:2016年1月30日(土)午後2時?4時 スタッフ研修会 会 場:ドーンセンター 特別会議室
講師:畠山由美さん(NPO法人だいじょうぶ 代表) 児童虐待の防止と早期支援に向けて、相談、一時保護、訪問支援・生活支援、居場所づくり、教育・啓発プログラムの実施など、多様な取り組みを行っている。里親として、ファミリーホームも運営している。
参加人数は55人。行政・NPO職員(学習支援・シェルター・虐待防止団体など)・スクールソーシャルワーカー・民生委員・養護学校などの参加があった。研修目的は、支援が届かない状況の子どもやその家族が求めている支援とは何か、日光市での実践から学ぶとともに、この大阪の子ども支援の分野で、関西で民間と行政がどのようにして地域ぐるみの協働体制をすすめていくことができるかを考えること。講演内容は、畠山さん自己紹介、創立経緯、行政との恊働の実際、質疑応答などおこなった。◆日光市の当時の福祉課長が、行政だけの対応は限界と感じ、24時間柔軟に対応できる民間との協働を呼びかけて模索が始まった。
◆行政と民間の協働の難しさ。だが、同じ目的のために動ける「対等の関係」としてお互いが違いを認め合い、信頼関係を築く。「対等」であることをお互い心がける。
◆行政が行き届かないところを民間が行い、民間が不足している資金面や情報などを行政が支援しながら、お互いの良さを活かしていくためには、お互いに歩み寄る姿勢が必要。
◆虐待は早期発見、早期介入が必要。日光市の子どもと親の相談室では、行政と「だいじょうぶ」が一緒に行動している。相談段階で親子に会いにその家に行くことがその親子への支援につながる大事な第一歩。
◆子どもたちは大人になって地域に帰ってくる。行政だけに任せておけない。地域の安心した暮らしのために、地域の市民の存在は重要。他人事として片付けるのではなく、地域のこととして、その子どもに気づいて、動くこと。
行政・学校・民間団体などともつながり、チームを組んで子どもと家庭に関わっていく、そういう地域の市民が多く存在することで、困っている親子を助けることができる
◆「だいじょうぶ」の活動は、頼れる身内が近くにいないことで、孤立・虐待・貧困を防ぐために陥らないよう、実家代わり・親代わりとして、親にはご飯の作り方や子どものあやし方などを一緒にやりながら教え、子どもには入浴お風呂に入ること、洗髪、洗濯することなど、を教えることで、将来困らない生活を伝えていく。◆行政からの委託費のほとんどを人件費に充てている。助成金・会費・寄付金を人件費にあてがうことが難しいため、人件費は行政から出してもらうことが肝要。
★私たちの活動との共通点や今後のビジョンの再確認や再考の機会になった研修だった。
大阪市と日光市との違う点は、・行政が積極的に人件費を中心として活動経費を委託費用として惜しまず出していること
・支出項目に関しても細かな決まりがないこと
・全面的に信頼しての委託を行っていること 人口や虐待相談件数などから見ても、大阪は行政が民間に委託をしながら協働で子どもとその親を支援していくことを考える必要があるのではないか、と思った。
行政が介入する前の段階(深刻な状況になる前)での支援が、子どもとその親が周りの孤立から逃れたり、子どもの傷が深まる前の介入として重要であることを改めて認識した。私たちの活動の意味も同じくここにあると思う。
居場所事業には「洗濯機と風呂場は必須です」と畠山さんが話されたように、放課後、風呂に入り、服を洗濯し、宿題して、ご飯を食べて、家まで送る、という一連の「あたりまえの生活の方法」を、一緒に過ごしながら親と子どもに伝えていくことも、大事な活動内容である。
今回の個別支援準備事業においても、洗濯と入浴については根気よく伝えていく必要性は感じていた。今後も子ども支援の時間として継続できるよう、とりあえず洗濯機は購入したい(⇒予算をゲットしなくては)。
2016年1月のコンストルイルは、7日の母語(継承語)教室と中学生の学習支援からスタートしました。
ブラジルの"ことわざ"カルタ母語(継承語)の勉強では、ブラジルの"ことわざ"のなかから、子どもたちが気に入ったものを選び、1枚のカードに言葉を、もう1枚のカードにことわざを絵で表します。ポルトガル語をかいて、内容を理解して、絵にする。なかなか、むずかしいだろうと思いきや、子どもたちは次から次に、"ことわざ"を選び、文字と絵にしていきます。日本の"ことわざ"と似ている内容がわかると、大喜び!そして、カルタ取りの始まりです。絵のカードを、ならべて、子どもたちが交代で、文字のカードを読んでいきます。楽しいので、2月まで続く作業になりました。中学生の進路と次の居場所中学生学習支援では、3年生の受験勉強を本格化させる予定でしたが、一人の中学生が、公立高校の受験でなく、私立の高等専門学校を受験することになりました。お金が掛かるので、保護者は難色を示していましたが、学校の懇談会で決意したようです。これから奨学金の存在も大きいです。
残りの二人は、公立高校のみを受験することに決まりました。1月末に行われた、テストの結果に、ひとりは自信をなくし泣いていました。そこで2月から土日、祝日も勉強会を始めることにしました。日本人のボランティアスタッフが、交代で担当することになりました。なんとか合格し、みんなで泣いて喜びたいです!
来年、新しく中学校に入学する子どもたちがいます。その子どもたちには、入学までにしておく勉強と今回の助成金で購入した「小学校の総復習」問題集を渡し、入学準備のお手伝いをしました。これから、入学まで、問題集をいっしょに勉強していきます。前回も報告しましたが、教室のあるマンションを3月末で退去することになり、急きょ、空き部屋探しに。家賃として、月2万円程度しか支払えないので、部屋を借りることもできません。出会う人ごとに声掛けをしていたら、堺市で、「市民が自主的に行う活動を応援する」NPO法人SEINさんが運営するカフェの一部を貸していただけることになりました。
1月10日、保護者会で、次の居場所を説明し、途方に暮れていた子どもや保護者達の顔が明るくなりました。堺港にほど近い、おしゃれなカフェで、4月から活動が始まります。まずは、引っ越しから。2月、3月は大忙しです。
新聞記事に1月8日付けの朝日新聞(朝刊・大阪版)に、ここの教室と田中ルジアさんを紹介した「オオサカ人 夢の手助け 学びの場」が掲載されました。記者の方は、何度も教室に来て取材や授業にも参加していただきました。本当にこの教室に通う子どもたちのことが伝わるすばらしい記事となりました。
そして、記事を読んだ松原の中学校の先生から、教室に行きたいという話が舞い込んできました。松原の中学校に通っている子どもが、学校の先生たちにこの教室のことを、恥ずかしながら紹介するなど、大きな自信につながったと思います。
①2015年度人 権 N P O 協 働 助 成 金の助成事業が決定しました。http://www.jinken-osaka.jp/2015/03/_npo_1_7.html
②2015年度事業説明会&ワークショップ
http://www.jinken-osaka.jp/2015/05/2014npo_1.html
③とりくみほうこく 5月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2015/06/npo_1_5.html④とりくみほうこく 5月編 Part2http://www.jinken-osaka.jp/2015/06/npo_1_1_1.html
⑤とりくみほうこく 6月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2015/07/npo_1_6.html⑥とりくみほうこく 6月編 Part2
http://www.jinken-osaka.jp/2015/07/festa_juninanpo_1.html⑦とりくみほうこく 7月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2015/08/festa_juninanpo_1_1.html
⑧とりくみほうこく 8月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2015/09/npo_1_7.html
⑨折り返し地点の中間報告交流会
http://www.jinken-osaka.jp/2015/10/npo_1_9.html⑩とりくみほうこく 10月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2015/11/npo_1_10.html⑪とりくみほうこく 10月編 Part2
http://www.jinken-osaka.jp/2015/11/npo_1_13.html⑫とりくみほうこく 11月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2016/01/npo_1_1.html
⑬とりくみほうこく 11月編 Part2
http://www.jinken-osaka.jp/2016/01/npo_1_14.html
⑭とりくみほうこく 12月編 Part1
http://www.jinken-osaka.jp/2016/02/npo_1_15.html
⑮とりくみほうこく 12月編 Part2
http://www.jinken-osaka.jp/2016/02/npo_1_16.html
この人権NPO協働助成事業は、人権に取り組むNPO等のホップ・ステップ・・・を応援するために、事業収益の一部を活用して自主事業として取り組んでおります。より充実した内容へと発展させるために、皆様のあたたかいご支援・ご協力よろしくお願いいたします。
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