新着情報



2015年度 人権
NPO
協働助成事業



とりくみほうこく 12
月 Part1





よっしゃ ! ほっとかへんで

 ~地域の子ども個別支援準備事業~


団体名 NPO法人西淀川子どもセンター
http://nishiyodogawakodomocenter.web.fc2.com/



見えない、言わない子どもの気持ちを想像すること
 ~研修と実習から~


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12月10日(木) スタッフ研修会

「不登校の子どもたちの気持ち、不登校をめぐる社会的課題について」

 講師:特定非営利活動法人フォロ 代表理事 花井紀子さん
 参加人数:20人 会場:ねおほ

 目的:学校に行かない/行けない子どもたちについて、関わりの現場の話を聞く。

講師の花井さんは、不登校の子どもたちとの出会いから、親のつながりを大切にし、子ども・若者が″ただ居られる場所″を目指して関西にフリースクール・フォロを創立。


内容:創立経緯の思い、当事者の声の紹介、質疑応答など

「不登校の間、学校へ行くかどうかではなく、生きていくことに対して苦しんでいた。」

「外部から全く刺激がない中でようやく安心できた。」

子ども達が経験し感じてきた気持ちの一部の紹介が、胸に刺さる思いだった。

本当にしんどいことは、簡単に言葉にできない。

子ども達はそのしんどさを、周囲に想像してもらえないことで苦しんでいる。

子どもたちの気持ちを想像することが、子どもと向き合う時に必要な力である。

★普段の活動において、「その子のために」と思ったことを押し付けていないか、子どもと関わる中で、自分に問い続けないといけないな、と思った。今回の学びをスタッフで共有しながら、これからの活動で生かしていきたい。




12月2日(木)~3日(金) 第七回モデル実習 18時~翌朝10時


子ども一人(A男・小学生)にスタッフ三人(うち男性2人)で実施。

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1.約束の時間の17時A男が現れず、辺りを探しながら、帰宅を待つ。

1時間後に帰宅したA男、「お泊りに行ったら、次の日学校に行きたくないのに行かされる」と思い、急に参加したくない気持ちになった様子。

(不登校気味の)A男の気持ちを大事にしたいと思っていること、学校に連れていくことが目的ではないということをあらためて伝えると、納得した様子で、実習の実施に至った。


2.18時半~ 食事前に銭湯に行く。

・体と髪の洗い方がわからないのか、スタッフの様子を見ながら真似る。

・背中を洗おうとしない。

・髪をうまく洗えない。


同伴スタッフがひとつひとつ声をかけながら一緒に行った。


3.19時半~ 調理開始  20:15~ 夕食

スタッフと一緒に積極的に調理をする。集団だと黙っているが、子どもが自分ひとりだと、「いただきます」「ごちそうさま」を自ら言う。昼は給食を食べるが、朝と夜は「ごはんを食べない主義」と言う。理由は言いたがらない。

家での外傷などについても「平気。なんともない」と話す。

4.食後の自由時間で、「宇宙」の本をスタッフと話しながら楽しそうに見る。

 ゲームやアニメのキャラクターの話から「年齢の計算」をし始める。暗算が早い。

5.就寝前の歯磨き:家ではあまり習慣がないようだが、スタッフと一緒に時間をかけて磨く。

6.23時:就寝 すんなり布団に入り、スタッフと話しながら自然と寝入った。

7.翌日7時:起床 学校に行きたくないと言っていたが、登校に間に合う時間に起きる。 改めて今日の気持ちを聞くが、「学校に行きたくない」という返答。何度か話し合うも、気持ちは変わらないようす。


★朝食は嬉しそうに食べていた。普段、朝・晩御飯を家族と食べることがないからか、誰かと食べるごはんの時間はうれしい時間なのだろう。

最後の感想でも、「ごはんが楽しかった!」のひとことがあった。

8.9時半、家まで送る。

9.10時半、A男の小学校の教頭(実習参加については事前了解済み)に、A男が登校しなかったことと、こちらが感じたA男の気持ちを報告。


★夜働いて朝帰宅する母親を待つために学校に行かないのでは?と想像できるようなA男の気持ちが垣間見れた。個人の関わりの中では、家族や友人の話をよくしていた。



12月25日(金)~26日(土)第八回モデル実習 16時半~翌朝9時半
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子ども一人(B子・小学生)にスタッフ二人(女性)で実施。

1.16時半:自宅に迎えに行く。準備を自分で完了して、待っていた。

2.17時~:夕飯準備、調理

踊って歌って、またよく話しながら過ごす。

ご飯の前に、嫌だ~と言いながらも冬休みの宿題をする。そばで励ましながら取り組み、目標までがんばって仕上げた。

★国語が好きで算数は好きではないが、成績は算数がよい。本人は納得していないらしい。学校や友だちの話をたくさんする。学校生活は充実している様子。


3.18時半~:夕食

楽しそうに兄弟の話をする。食後には、クリスマススペシャルでホットケーキを焼く。

4.20時:銭湯

髪を丁寧に洗っていた。広々とした湯舟でゆっくりお風呂に入りうれしそうにしていた。

家では男兄弟3人もいる狭い家のなか、着替えるときは隠れてするという話を聞かせてくれる。

5.22時前:手作りホットケーキにデコレーションをしてから食べる。(時間が遅いのは反省点。)

★この時に、離れて暮らす母親の思い出話を自然に語った。表情はとても穏やかで屈託ないが、本当の気持ちまでは感じ取れなかった。

6.歯磨きは家でする習慣がないようす。

今回は時間をかけて磨いていたが、口の中を見せてもらうと変色している箇所があり、歯医者に行くよう伝える。

★(歯医者に)行きたくないようすだが、引き続き声をかけていくようにしたい。

7.23時:まだまだしゃべりたい様子だったが、自分から「おやすみ」と就寝。

8.翌朝7時半:起床。

髪(強い癖っ毛)のセットは自分でいつもしている。

9.朝食:いつもはそんなに食べない。食べる習慣がない。給食までにお腹がへることもしばしば。

実習の感想:「布団が暖かかった」、「銭湯が楽しかった」、

子どもの立場で思うことがあったらまたどんなことでも意見を聞かせてほしい、とこちらから協力をお願いすると、「うん」と受けとめてくれていた。

10.9時半:自宅まで送る


今までの子どもの共通点として


・お風呂での体や髪の洗い方がわからない、教えてもらっていないこと

・歯磨きが習慣になっていないこと(虫歯のある子も)

・食事の習慣が不規則で、3食を食べていない子が多い  などがある。

日常生活の中であたりまえに習得できていないことが多い。


宿泊実習の感想を「楽しかった」と一様に嬉しそうに語るのは、事前の関係性も大きい。楽しい中でこそ、生活のために必要なことや社会性としての所作を体験し、元気を補充できる時間を今後も作っていきたいものだと改めて思っている。


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①2015年度人 権 N P O 協 働 助 成 金の助成事業が決定しました。
http://www.jinken-osaka.jp/2015/03/_npo_1_7.html

②2015年度事業説明会&ワークショップ

http://www.jinken-osaka.jp/2015/05/2014npo_1.html

③とりくみほうこく 5月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2015/06/npo_1_5.html
④とりくみほうこく 5月編 Part2
http://www.jinken-osaka.jp/2015/06/npo_1_1_1.html

⑤とりくみほうこく 6月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2015/07/npo_1_6.html

⑥とりくみほうこく 6月編 Part2

http://www.jinken-osaka.jp/2015/07/festa_juninanpo_1.html
⑦とりくみほうこく 7月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2015/08/festa_juninanpo_1_1.html

⑧とりくみほうこく 8月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2015/09/npo_1_7.html

⑨折り返し地点の中間報告交流会

http://www.jinken-osaka.jp/2015/10/npo_1_9.html
⑩とりくみほうこく 10月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2015/11/npo_1_10.html
⑪とりくみほうこく 10月編 Part2

http://www.jinken-osaka.jp/2015/11/npo_1_13.html
⑫とりくみほうこく 11月編 Part1

http://www.jinken-osaka.jp/2016/01/npo_1_1.html

⑬とりくみほうこく 11月編 Part2

http://www.jinken-osaka.jp/2016/01/npo_1_14.html


この人権NPO協働助成事業は、人権に取り組むNPO等のホップ・ステップ・・・を応援するために、事業収益の一部を活用して自主事業として取り組んでおります。より充実した内容へと発展させるために、皆様のあたたかいご支援・ご協力よろしくお願いいたします。

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